部活だなんだとか言ってなかなか会えなくて、やっとの思いの一日休み。外は雪がひどいから外に出かける気もおきない、だから、仁王の部屋でのんびりするって言ったのに。
少しぐらいいちゃいちゃするの期待したっていいじゃん。なのに、さっきからテニスマガジンばっかり読んで、こっちを見やしない。せっかく久しぶりに会えたのに、こんな放置プレーなんてひどい。私は仁王の漫画を読んでるふりしながらかまってほしいオーラ全開にしているはずなんだけど、見事にシカトしてくれちゃってる。いい加減かまってほしくって仁王の首に腕を回しても澄ました顔してる。
「仁王、チューしたいから目つむって」
「なんじゃ、珍しいのぅ」
いつもなら絶対しない。ぶっちゃけかなり恥ずかしい…。大人しく目を閉じた仁王の顔にどきどきしながら、唇にキスしてすぐに離した。
「もうおしまいか?」
いつの間にか腰に手を回して、不敵に笑う仁王から目をそらす。
「相変わらずキスが下手くそだな」
「うっさいな」
顎をひかれ仁王からキスされる。余計なことなんて考えられない、仁王しか考えることができないキス。名残惜しそうに唇が離れた。
「仁王、大好きだよ」
「…姫、誘ってるんか?」
「え?」
気づいたら仁王が上にいて妖しい笑みを浮かべていた。この状態はまずい。だけど、こうなったら仁王はひかない。仕方ない、いっぱいかまってもらえなるならいっか。今日は特別だ。
ユキの日
(仁王、今日はいっぱいチューしてね!)
(りょーかいじゃ)
090102