俺たちは一旦チーフと別れて、また地下までジャンタを迎えにいった。
一時的とはいえキュオと引き離されてジャンタは寂しそうに、かと思ったら案外みんなと遊んでて楽しそうだった。
まぁ、関員の中には子持ちの人も居るし、そりゃ可愛いだろうな。

キュオとジャンタをつれてまたまたエレベーターに乗り込み、11階のボタンを押す。
ついてみればそこはホテルなんかと同じように、ずらりと扉が並んでた。

見ての通り、ここが俺たちの部屋。11階はリクレス寮だ。
俺の隣の部屋は空室だったんだけど、今日からはそこにキュオたちが割り振られる。

「詳しい事は明日な、おやすみぃ〜」

「おう、おやすみ」

「バイバーイ」

あくびをつきながら俺は自分の部屋へと入っていった。
やっととさキュオたちの案内係から解放されて一息つけそうだわ。
相変わらず色々と散乱してて汚い部屋だけど、片付ける気も毛頭ない。

電車の中でも寝たけど、やっぱ眠いもんは眠いんだ。
ふかふかのベッドにダイブし、この身を受け止めてもらう。この時が一番幸せ。

もう本当に眠いし、今日はこのまま寝ていいかな。風呂だったら明日入ればいいや。
もうベッドに埋もれてしまった以上は着替えも面倒だし……

……でも

『こら、ウーノ!寝るときはパジャマに着替えなさい!』

『えー、めんどい!』

『めんどいとは何よ、だらしない!』

昔だったらあの人にとっ捕まえられて、嫌でも着替えさせられたっけ。
今は俺にそんなこと言ってくる人なんて居ないんだけど。

「報酬……」

俺はごろりと寝返りを打ち、顔を天井の方に向けた。
だけど不意に目頭が熱くなってきて、右腕で目元を覆う。

「……報酬ってさぁ、死んだ人にも有効なんかね……」

例えば、全てが終わったとして。
死んだ人をよみがえらせて欲しいなんていったら、叶えてくれるんだろうか。
もう一度あの人に合わせて欲しいなんていったら、会わせてくれるんだろうか。

さすがに無理かなぁ。


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