「よろしい。では、報酬は何にする?」
「報酬?」
キュオは首をかしげた。あ、俺も報酬の存在すっかり忘れてた。
これまた説明しなきゃなんねぇな。
俺たちはあくまで雇われてるわけであって、当然給料とかももらえる身分だ。
まぁ基本的に金なんてなくても食と住に関しては機関側が用意してくれるんだけど。
だけど、この仕事はただ金で雇われるだけにしてはリスクが大きい。
だからチーフは、パズルが完成した暁には、リクレス全員に約束された「報酬」を与えてくれるんだと。
つまりは一個だけ何でも好きなものねだって良いってワケ。
そう耳打ちしたら、キュオは手をひらひらと振って笑った。
「願い事?ないない」
あまりに返答があっさりしすぎてて、今度は俺がビックリした。
え、何もないって逆にありえなくね?
「また考えておきます」
「……そうか。ウーノ、キュオを部屋に案内してやれ」
「えっ、それも俺の役!?」
「あと、キュオのブラインガーもお前な」
「えー!? 何か面倒なの全部俺に押し付けてねぇ!?」
「解雇しようか?」
「ガンバリマス、スンマセン。」
ちょっとチーフ、その脅し方はないっしょ。解雇されたら住むところないんですけど。
部屋に案内するだけならまだしも……はぁ、何でこうついてないのかな。
やっぱり次から次に出てくる単語に理解しかねるのか、キュオは首を傾げてた。
とりあえずは疲れたし休みますか。
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