まずはピースから。前にも言ったけどこれは欠片だ。
だったら何の欠片かって言ったら、"パズル"の欠片。

要はピースは一つで完成なわけじゃなくて、全部集まって初めて真価が問われる。
俺たちの仕事は、ピースを集めてパズルを完成させることだ。

ちなみにこの通りピースは装飾品の形をしてるわけだから、それをはめ込む型(シャープ)は人型じゃないかとも考えられてる。
だからそれに一番近いマネキンで今は代用してるわけ。

もちろん、その型だって回収しなきゃいけないから、今も全力で探索中。
だけどピースとは違って一つしかないから情報は極端に少ない。
クライマ機関は今年で創立70年らしいけど、創立当初から今までその尻尾すらつかめてないらしい。

そしてこの組織内にもしっかりと部署がある。
まずは、ピース探索班である"T(アインス)"。そしてシャープ探索班である"U(ツヴァイ)"。そして俺たち、ピース使いのリクレス。

一体どこにピースや型らしきものがあるのかをTとUが調べて、その後に俺たちが指令を受けて現地に向かう。
これが一通りのこの組織の構造だ。

あまりに俺がぺらぺらと説明するものだからキュオも驚いたんだろう。
俺だって、これでも一応は関員だしね。リクレス歴も10年近いよ。

俺からの説明が終われば、チーフはわざとらしく咳払いをした。

「キュオ、ここの者にとって多大の欲は敵だ。ブローチを扱えるようになったところで、欲が膨らみすぎればお前は飲み込まれてしまう」

「……はい」

「そんなリスクが伴うからこそリクレス志願者は少ない現状にある。楽な仕事ではないぞ、良いのか?」

「はい!」

キュオの返事は力強かった。本当に覚悟決めたって感じ。
男前だねぇ、惚れちまいそうになるわ。
改めてキュオの意志を問うたところで、話は次の段階に移った。


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