Uno side

「本っ当に、良いの?」

『もちろんだ』

「だって、ピースは管理室に置くんしょ?だから俺をよこしたんじゃないの?」

あれから一夜開け、俺はクライマ機関に戻るためにあの林道を歩いていた。
通信機から聞こえるチーフの言葉にいちいち食いかかりながら。

『だが、計算外のことは仕方がない。この場合は管理室に置く必要もない』

そして、背後に大きなお土産を二人つれながら。

『リクレス希望者が居たんだろう?だったら構わない』

「そーだけどー…」

『しかも美人だそうじゃないか。お前としては嬉しいだろう?』

「うん、嬉しい!でも、チーフがそこまでスムーズに事進めてると怖い…」

『失礼だな』

はぁ、とため息をついて振り向けば、そこにはお土産、もといキュオとジャンタの姿があった。
理由は簡単、今日目が覚めて改めてピースの回収のため交渉したわけだが、あっさりと断られてしまって。
これじゃあいつまで経っても帰れないと危機感に迫られてたとき、キュオの口から予想だにしない言葉が出たんだ。

『リクレスになって戦いたい』と。

まさかの提案に俺もビックリしたけど、チーフにその事を伝えたら思ってた以上に簡単に承諾してくれて、こうして二人を連れて帰りの電車に向かっているわけだ。

それにしても、リクレスになりたいなんて一体どういう風の吹き回しだろう。
あんな化け物と戦う仕事、俺だったら絶対やりたくないね。やってるんだけどさ。

「なーキュオ、ホントにクライマ機関入んの?」

「もちろん。ピースが大事だって事はよーくわかった、けど母さんの形見は易々と渡したくない」

「へぇ…」


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