コンタクトをはめた俺の両目はじわじわと変色していく。
白目の部分は黒く、赤に近いピンクの目は黄金色に変わって。
さぁ、こっからが本番だぞ外れ囚人ども。
さっさと俺に睨まれて
眠れ。
「……動かなくなった…?」
俺が睨みつけた外れ囚人は、途端にぴたりと動きを止める。
キュオは突然攻撃の手が止まった事に驚いてるんだろう。俺の後ろから、浮いたまま動かなくなったそいつらを見上げている。
だけど驚くのはここからだぜ。
「!」
動かなくなったうちの一体が、突然ゴトッと重々しい音を立てて地面に落ちてきた。
さっきみたいに襲い掛かる感じではなく、何かに打ち落とされたような。
じゃあ、この調子で行きますか。
その後も俺は次々と外れ囚人にピントを合わせ、その空洞の目を睨みつける。
動きを止め、地面に落ちた外れ囚人は当然もう動く気配はない。
しばらくすれば地面は真っ黒に埋め尽くされた。
「た……倒せたのか?」
「いや、まだ寝てるだけだ。」
そう、文字通りこいつらは眠っているだけ。俺の目を通じて眠気に誘われ、一時的に意識を失っているだけ。
それを完全に消すのはここからだ。だけど、俺はいつも思う。失敗したらどうしようって。
失敗したら終わりなのは俺のほうだし、一生目が覚めることはなくなる。
でもそんな不安なんて抱いてる暇はないんだよ。
予想通り、外れ囚人を眠らせた俺を、強烈な眠気が襲った。
「あとは俺が…ね…れ…」
俺の出番はここまで。どうか無事にことが終わっていますように。
それから、このままだと後ろに倒れるから頭打たないように受け止めてくれるといいな。
それじゃあ、おやすみ。
次に目が覚めたときは、外れ囚人が居ませんように。
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