「何してんだアホッ!!」

「ひゃあ!?」

頭を抱えていた時、誰かにお尻をひっぱたかれて意識が浮上した。
それと同時にあの不快感は消えさって。

振り向いたらそこにはあの男、ウーノが立っていた。

「お…お前!?」

「あんなぁ、ピースはそう簡単に扱える代物じゃねぇんだよっ!!アンタ発狂死してぇの!?」

息を切らせて、いかにも急いで走ってきた様子で。
さっきまでのあの飄々とした表情からは考えられないほど必死な形相だった。

「今のアンタじゃ、逆にピースに飲まれる!でかい欲が二個も三個もあったら拒絶されるに決まってんだろ!」

きまってんだろ、なんて言われてもこっちはピースに関する知識なんてないしそんなの知らない。
だけどウーノの言うとおり、さっきのままじゃ発狂死していたんだろう。
あの強烈な不快感を考えればそれも頷ける。

だけど、仕方ないじゃないか。ジャンタを守るために必死だったんだ。
この外れ囚人とやらを倒すためにはピースが必要だって言うから、なんとかしようとしてたんじゃないか。

なんてことを言ったとして、何も変わったりはしない。
ひとまずこいつらをどうするかを考えなくちゃいけないのに…

「ここは大人しく俺に任せろ!」

「え?」

突然の頼もしい言葉に、自分でもわかるくらい間抜けな声が出た。
え、何とかできるのか?こいつが?さっきいきなり意識手放して爆睡してたのに?

そういえば、こいつは自分をリクレスだって言ってた。
リクレスっていうと、直訳すれば"命知らず"のことだ。じゃあ、それは…

ピースを回収する仕事じゃなくて、外れ囚人を倒す仕事なのか。


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