瞼の向こうに光が見えた

はっきり言う。
後悔が無いわけじゃない。
後悔だらけだ。

「     」

目の前でアキラが泣いてる。
何か叫んでる。

「     」

聞こえねぇよ、チクショウ。
泣くなよ、バカ。

「     」

守りたかったんだ、失ってしまったあの日から。
この手で、オマエを守りたかったんだ。
それが、やっと、叶ったっていうのに。

「     」

何で、泣いてんだよ、アキラ。
泣きてぇのはオレだよ。
目の前に惚れた女がいんのによ、抱きしめてやることもできないってどういうことだよ。
コッチがカッコつけて必死に虚勢はってんのによ、ボロ泣きって何だよ。
ホントにカッコつかねぇよな、オレって。
あー、チクショウ。
せめて腕が動けばな、思いっきり抱きしめてやるのにピクリともしねぇ。

「     」

何言ってんのかよくわかんねぇよ、でも、オレのせいで泣いてんだよな。
ゴメンな、昔っからオレはオマエを困らせてばっかだ。
ちっとは大人になれたと思ってたけど、そうでもねぇな。ダセェ。



あたまがおかしくなってきたきがするんだよな。
なにがなんだかよくわからなくて、ああ、そっか。
おれがこわれてく、のか。

「     」

なくなよ、アキラ。
マジでこうかいなんかしてないんだから。

「     」

でも、ひとつだけ。
ひとつだけ、たのみがあるんだよ。きいてくれ。



なんといったのか、なにかいえたのかも、もうわからないけれど。





まっくらになったしかいのなかで、あたたかいいろがみえたきがする。

title/群青三メートル手前
100720
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -