「そう、いいこだ。上手だね」
わたしの髪を撫でるとき、ヒソカの声は支配者のそれになる。けれど支配されてやるつもりは毛頭ないので達した彼にわたしは文句を言う。
「ヒソカの大きい。のど苦しい」
「煽ってるのかい?キミは」
思わず拍手をしたくなるほどに元気なそこを見せつけるように、ヒソカは腰に手を当ててわたしの前に立ちはだかった。さっきまで口の中にあったものを見せつけてくれなくてけっこうだ。
「ちがうよ。フェラやだって言ってるの。アゴ疲れるし」
きらいきらい。フェラチオなんてきらい。とにかくのどの奥が苦しいからいや。大体ヒソカのは規格外すぎるんだ。
言いたい放題文句を吐き散らかすわたしにヒソカは目を細めて笑う。
「キミが口でするのきらいなことくらい知ってるよ。ーーだからさせてるんだ」
後ろから抱き込まれて耳元にささやくような笑い声が注がれる。ほんといい性格してる。
「ヒソカのそういうところが大好きよ」
皮肉っぽくつぶやけば、喉の奥からクククと笑う。耳ざわりなその素敵な声を出すのどぶえを、いつか噛みちぎってやりたいな。
「ボクもナマエのそういうところが大好きだよ」
ああそうですか。わたしもヒソカも、変化系は息をするようにうそをつくのね。
対等なふたりでいるために16/07/08
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