「やべ、勃った」

組んで活動にあたっていたフィンが脈絡もなく発した一言に、わたしはただただ目を丸くした。

「わりィな、すぐすませる」

てっきり自慰でもするかと思った彼の手はなぜか腰を引き寄せスカートの裾から入り込んでくる。

「は?ーーちょっ、何考えてんの、今まだ活動中でしょうが」
「あーうるせーうるせー、夜まで待てるかよ」
「そこは待とうよ。…っフィンってば、」

あっという間に下着の中までたどりついたフィンの手は愛撫もそこそこに入り口に触れてくる。

「濡れてねえな」
「…当たり前でしょ馬鹿じゃないの。ていうか本当に無理だから。ひとりで抜いてよ」
「…んあーしかたねえな」

抵抗すると意外とあっさり彼の手は退散していったので、さすがに活動中まで盛るのはやめようと思い直してくれたらしい。安心しかけたわたしは、けれどフィンが自身の指先をぺろりと舐めたのを見てぎょっとした。ぎょっとしたわたしに気づいたフィンはにやり。口端をあげて悪人ヅラで笑い、次の瞬間、再び強く腰を引き寄せてきたかと思うと下着の中に戻ってきて無遠慮に指を突き立てた。

「やっ、…ぁ、っ馬鹿、」

殺す。こいつ絶対殺す。
16/07/03

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