あとがき

▽ 48〜56のあとがき


ユイはイオは本当はどんな人物なのか?
それを語らせるための長い長い助走のような話ばかりでした。
ここからユイの性格と合わない行動や家庭環境についてを多く書きました。
私としてはやっと書けたという感じであり、全く自分の家庭環境を書かせてくれないユイの話を漸く書けたと嬉しくなりました。

ユイは性格も分かりやすいし、書きやすい主人公ではあるのですが実は心情をあまり吐露しないタイプのキャラクターです。
吐露しているにはしているのですが、核心からは微妙に離して書くようにはしていたつもりです。
しかしながら、それがユイの視点であり、ユイの感じている物事全てだと思うので、彼女は本当に家族を愛しています。
ユイの言っていることもイオの言っていることも、彼女たちにとっては真実です。
結構嘘を重ねてますけどね。たくさん嘘がありますが、そこだけは本当のこととして書いています。

さて、51〜53は人によっては駄目だろうと思いながら書きました。
『アルテミス』のユウヤの時と一緒ですね。意外と倫理的にどうなのだろうかと思う場面が多いですが、書かずにはいられないといった感じでした。
なるべく薄味で書こうとは思ったのですが、出来上がってみれば正直これでいいのかと疑問に思っています。主に表現の問題ですね。語彙の少なさにびっくりしました。

ここからでもないのですが、悠介さん死亡シーンからずっとジン君には気の毒な思いをさせています。
彼の中には確かな答えがあって、それがどうにも滑稽であり、でも相手にとっては懸命な行動なわけで…。
ジン君の感情が同情なのか悲哀なのか、またまた違う感情なのか。書いているこっちも振り回されています。
恋愛感情とは少し遠いです。でもここに来て、彼は彼女を分かりたいと思っています。
それ本編で言えよ…と思うのですが、難しいです。

感情の話が出て来たのでもう一つ。
ユイが仲間に抱いている感情は、バン君には憧れ。アミちゃんには尊敬。カズ君には信頼でしょうか。
他の仲間に関しては、信用ですかね。
信じてはいますが、いざとなれば何も言わずに自分で色々とやってしまうことでしょう。

ジン君には複雑な感情を抱いています。
憧れて、尊敬して、信頼して、劣等感を抱いていて、でも近づいてみたいなと思っている。こいつ面倒だなと思いながら、彼女の感情を考えています。
面倒でも私にとっては可愛い主人公なのですが。


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