「確かにこっちの能力者は長生きだ。つまり、成長がゆっくりなんだな。その分、精神的成長も遅くなっちまう。そして、長生きなせいか時間の感覚がちょっとずれてるかな」

「なるほど、やはりこちらとは真逆なわけか」

「そう。似てるのにこんなに違うんだなぁ」


ハハハッと日暗が笑うとウノもつられて笑った。ここがいくら安心出来なくても面白いことは面白いし、楽しいことは存分に楽しむ。それが日暗の特徴だ。


「そういえば、その人形は昔のアンタの写真をもとに作ってもらったんだろう?昔のアンタはさぞイケメンだったわけだ」

「はっはっは。口が上手いなぁ。君なら数十年前に逢えたかも知れない」

「かもな!いやいや、俺もウノさんを見習わなくちゃな。ボスとして学ぶところが色々ある」


ちらりとナイトを見て、目が合うと日暗は小さく笑った。不意をつかれたのか少しだけ瞳を大きく開けた。それから視線をウノに戻す。


「君は隊長なのだろう?」

「実をいうと数年前まで一人で活動してたんよ。だからなぁ」

「互いにこれからってことか!…そういえば、いつ頃あちらに帰るんだ?」


ふと思いついた様に訊いたウノに、日暗は「あーそれなー」ときの抜けた声で言いながら、栗色の頭をかいた。


「あんまり長居するのもアレだし、こっちも予定があるから明日には帰りたいなって思ってる。でもその前にツバサにも礼を言いたいし、情報教えなきゃだし。勿論、もう一回シングくんとミルミちゃんに礼言いたいなぁ」

「そうか。今日は忙しいのならそろそろおいとまするか。いや、君が帰る前に話が出来て本当に良かったよ。うちの部でどんな人か話し合ったぐらいだからな!」

「マジか!そりゃ予想外だったわ。俺も、貴方と話せてよかった」


ここに来て一番の笑顔で日暗が言うと人形だから表情は解らないが、楽しそうな声色で笑うウノの声を聴いてから二人に別れの挨拶をすると日暗は席を立った。




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