「ん…?」


日暗は建物から出てから、暫くはゆっくりと森の中を歩いていた。しかし何かの気配を感じとり止まる。そこには見覚えのある隊員二人がいた。


「任務お疲れ様で御座います!」

「お疲れ様デス日暗サン!」


「イザヨイとラグナかよ…。ったく、俺一人でやるって言ったろ?」

「ハイ!だからお迎えに来ただけデス!」

「此度の任務は如何でしたか?」


はい!とイザヨイが持ってきてくれた飲み物を少し飲んでから日暗はにやりと誰でも解るぐらい楽しそうに口元を緩ませる。


「なかなか面白かったぜ!帰ったら調べたいモノたくさんあるなー」

「「??」」

「ほら帰ろうぜ。ちゃっちゃと他の仕事も終わらせて長期休み作らねぇと!いやー世界って広い」











「ただいまー」

「任務終わったよ!ってあれ?」


一方viceはと言えば、別の任務に行っていた鈴芽と華蓮が帰ってくると、名ばかりの指令室のソファーに十闇だけが雑誌を読みながら座っているだけで他のメンバーがいないことに驚いた。


「十闇達の任務は先に終わったのか」

「うん。なかなか面白かったよ」

「他の皆は?」


「まぁ…皆、色々刺激を受けて各々好きなコトをやってるって感じかな?」




苦笑いをしながら十闇は言う。そして雑誌を閉じて今回の任務を簡単に二人に話した。




「ふぅん…異能者か。行きたかったな」

「私も!いいなぁ!異能者のコト、あんまり知らないし」

「戦ったけどあんまり細かいところは解らなかったな。俺も表面上しか『視て』ないし…でも中々面白かったよ。やっぱりこちら側にいるヒトは一味違うね」

「で、皆は?」


任務に使った銃をテーブルの上に分解しておもむろに掃除をし始めた鈴芽が話を変えると十闇は呆れた様にため息をついた。


「紅は部屋にこもって異能者のコト調べてる。イヨと焔羅と蒼はまだ戦いの余韻が残ってたり、能力の新しい使い方を見つけたりして訓練室で手合わせ中だよ。任務帰りなのによくあんなに動けるよ。オレには無理!」





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