※まず始めにということで緋里のキャラ紹介的なのを…




放課後の教室、そこには三年生の十闇、二年生の双子の鈴芽と鈴見、そして焔羅と華蓮がいた。




「あ、イヨ遅かったねー!どうだった?委員会」


十闇が不思議そうに、教室に戻ってきたイヨに声をかけた。そのイヨの表情は何処か暗い


「活動内容は明日から放課後に校内見回りと暫くの間、朝は玄関前で挨拶運動だと。クラスの奴等の推薦で無理矢理やらされてるのに…しかも強制的に委員長にさせられた」


適当な椅子に座って委員会の時に渡された風紀委員の腕章を机の上に置いた。
四月、桜が咲いて春の匂いがする季節だ。在校生は一つ年が上がり、そして新しく一年生が入ってくる。


「イヨ残念だね…頑張って!」

「ざまぁ」

「華蓮有難う、焔羅死ね。…そういえば紅と蒼は?」

「紅はクラス委員になっちゃって委員会、蒼は新入生の部活見学があるから急いで部活に行ったよ〜」

「皆、大変だね」


イヨは残り一年もない高校生活を楽しみながらのんびり過ごしたかったらしく外を見ながら小さくため息をついた。十闇が頭を撫でようとして手を叩かれる。


「あ、鈴芽と鈴見は髪の毛染めないの?黒とかに」


叩かれた手をぶらぶら振り回しながら十闇が鈴芽と鈴見に訊いた。一年の頃から派手な見た目で上級生などに喧嘩を売られている二人だ。


「髪染めるの面倒なんだよ。いきなり染めても今更だろ?しかもこれ地毛だしよォ」

「俺は染めるヤツ買うならたい焼きたくさん買った方が良いからかな。少なくとも物心ついた時には緑だったし」


青い目の鈴見が怠そうに、緑の目の鈴芽がお菓子を食べながら同時に言うと十闇は「さいですか」と呆れた様に呟く


「つか赤毛と紫髪も目立つだろうが。人のコト言えねぇだろ」

「赤毛っぽいの結構いるぜ?」

「オレはまだ濃い紫だからねー」

「この…っ」


「ほらもうこんな時間!か、帰ろっ!!」


不穏な空気を感じとった華蓮がなんとか話を変える。鈴見はチッと舌打ちをした。それから各々、鞄を持ったり帰る仕度をする。


「明日、妹とケーキ買いに行く予定なのに…少し遅れてしまうな」

「あちゃー」

「しかし任されたからにはきちんとやるぞ」


そう言って机の上に置いている腕章を鞄の中にしまうと立ち上がって鞄を持った。


「ねぇ、この学校っていろんな人がいて面白いけど今年の新入生や新しく来る先生はどんなもんかな?楽しみだなぁ」

「私が知るか。帰るぞ」

「あ、皆待ってよ!」




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