※日暗視点









「へーぇ…」


なかなか面白そうだな。さてこれからどうするか。とりあえず、見つめられたら見つめ返すしかねぇから正直言って嫌いな赤色の眼を見ていた。それにしても横にいる女の子可愛いな。妹が一番だけど!

さて、能力者の能力は血筋に関係なく個人で決まるが異能者は違い4つに分かれるってコトは同じ力を複数人持ってるってコトだよな。こっちにもいるっちゃいるが差があるし…うわー、もっと知りたいな。知りたいが、これ以上は訊けないよな…気になる…けど駄目だよなぁ…


「にしてもすげぇよ。俺があんたらの歳だった時は能力もなんもないガキだったからさ、見た目も子供だったし…不思議だな」


ふと思ったコトを口にしたらお二方はきょとんとした。少年の方は偉そうに組んでいた手をほどいたし。つか俺を試すとか…試すも何も俺はなんもしてないって、これが素だって


「まぁその歳でこっち側にいるのも良いのか悪いのか微妙なところだけどな。じゃあそろそろ帰っても良いか?」

「貴方が俺達を引き留めたのだろう?」

「ハハッ!そう言えばそうだった。ったくいけ好かないガキだな〜」


気に触ったのか少し睨みながら少年が「それはどうも」と返してきた。俺は机から降りて軍服の上着を脱ぎ、片手でそれを持ちながら中に着ていたパーカーからイヤホンを取って耳にはめる。…そーだ。上着はもう要らないし邪魔だからちょっとオマケとして二人に見せてやるか。


「サービスで見せてやるよ。俺の能力の一つ」


二人が「?」としてる中、俺は『業火』で持っていた上着を燃やしてすぐに能力を解除した。燃やした軍服は灰すら残らない。全て燃やすのが業火の特徴だ。一瞬だけ二人の警戒と殺気を感じたけど気にしない


「どんな能力かは言えないけどな。まぁ考えればすぐ解るだろ?」


問いかけてみたけどコイツは頭良さそうだし…悟られないうちにさっさと帰るかな


「…もしかして、貴方の能力は」

「しーっ!」


誰にも気づかれない様に走って帰ろうとしたら…やっぱりバレたか。俺は通りすぎるついでに少年の肩に手を置いて黙らせる。不意討ちだったかな?二人共、いつの間にって顔してる。いいな〜こういうちょっと驚かせるの


「マスター!」

「心配するな。…何か?」


不意を打たれても俺の敵意が無いってコトをすぐに感じとったのはさすがだな。やっぱりいろんな死線越えたり、場数を踏んでるワケだ。異能者ってのも、その周りを取り囲んでいるモノも余計に気になる


「その情報は、帰ってから上司にでも教えろよ。教えてもあんまり意味な――」


あれ?変な違和感がするな。俺は言葉を一旦中断して少年から感じる違和感に集中してると、少年が怪訝そうな顔して声をかけてきた。


「どうかしたか?」

「…いや、何って言うのかな…、変な感じが…匂い?」

「はぁ?」

「いや、何でもない。上手く言葉に出来ないや。暇になったらそっちに遊びに行くかも。それだけ。じゃあな」




とりあえず、遠くで俺を視てるヤツの視界から早く遠ざかりたいから二人の返事を聴かずに走ってさっさと部屋を出て、数秒後には建物の外。視界から抜けたところで足を止めた。



「んー…大変だなぁあいつらも。死に急がないコトを願っとくか」


そんなコトないと思うけど。

ってかあの場にいた少年も、イヨの近くにあった気配の雰囲気もなんか普通のヤツと違ってた。何だろうなアレ。良くないモノに侵食されてる様な感じ。変な匂いがした。こっちで言う魔術的な類いか…?余計に余計に気になるじゃねぇか。って、あ…






「女の子の名前訊くの忘れた…!」






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