「トリックオアトリートッ!!」


薫の声と共にぱんぱんっとクラッカーが鳴り、凉音が「わーい!」と拍手喝采。

今日はいつものメンバー+飛暮と凉音、さらに冬樹とその友達の明石、青哉、燈織…全員で10人もいた。
現在弥生の寮部屋。弥生は三兄妹なので寮部屋も無駄に大きい。


「なんか、すみません飛暮さん」

「にゃははっやるなら大勢の方が良いしな!」

「僕等も参加して良かったのかな…」

「良いんだよ兄貴!せっかく呼ばれたんだから楽しまないとっ」


目が飛暮に話しかけ、明石を青哉が笑顔で答える。


「はじめまして燈織さんっ!弥生お姉ちゃんの妹の凉音ですっ」

「とっても良い子なんだよ〜」

「だな!弥生のヤツしっかり者だからなー」

「あれ?燈織って弥生と仲良かったけ?」

「最近授業時間が被るせいかよくすれ違うんだよ、さ、またクラッカー鳴らすぜ!」

ぱぱぱんっと器用に燈織が連続でクラッカーを鳴らす。凉音はそれが面白い様で楽しそうにきゃっきゃしていた。


「そーいや弥生と冬樹は?」


騒がしい中、ぼそっと視乃が呟く


「お姉ちゃんと冬樹さんはねーケーキの準備だよ!お姉ちゃんのケーキはとってもおいしいの!ねぇ視乃さんあそんでー!」

「ばっ、くっつくな!!」

「くっつく!」

「頑張れオニーチャーン」

「目!テメェ代わりやがれ!」

「あーこの料理美味いッスね、飛暮さん」

「だろ?弥生と俺とで作ったんだぜ!」

「うそつけ!お兄ちゃん料理の邪魔ばっかしてた!」

「ちげーし!凉音何言ってんだし!」


「俺あっちで飾り付け手伝ってこようっと、頑張れオニーチャン」

「目!!あとで覚えてろよ!」

「視乃さんあそんで〜」


主に飛暮がぎゃあぎゃあ騒ぐのを明石と青哉は面白そうに見ながらさりげなく皆のコップにジュースを入れていく。


「双子ならもっと仲良くすればいいのにな」

「本当だよ」


「楽しいね!燈織」

「去年はやらなかったからなーつるんでなかったし」

「だな」


そして目も加わり燈織と薫は思い出した様に忘れていた中途半端に残っていた飾り付けをやる。ジュースを入れ終わった明石と青哉も加わった。



それから数分後、丁度飾り付けが終わった頃に扉が勢いよく開く。


「「ケーキ出来たよ!」」


現れたのは弥生と冬樹で、立派に作られた普通より大きめなチョコのホールケーキを台に乗せてやってくる。





外はもう真っ暗ですっかり夜だったがハロウィンパーティーはまだまだこれからだった。





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