放課後、いつもの四人は高等部にある談話室のいつもの席でだらだらしていたが、


雑誌を読んでいた目が真剣な表情だった。


「やっぱり、ない」

「え?」

「ない…」

「目?」

「ないんだよ…」


雑誌を隣に置いてぐてーとテーブルに体を広げた。一緒にいた薫と弥生は少し嫌そうな顔をした。だって当然邪魔だから


「なーいー!」

「なにがってば!」


「大食いチャレンジの店だよ」

「大食い?」


「そう」と言って目の双子の兄、視乃は目の隣にあった雑誌を勝手に盗る。表紙は学校近くの食べ物屋さんがたくさん載っているグルメ雑誌だった。


「コイツ、俺の弟なクセに底無し胃袋だろ?食うの好きだし、食うならたくさん食いたいし、時間内で食えばタダで食えるし更に賞金もらえるしコイツ的には一石四鳥なんだよ」

「確かに…目のお昼ご飯量多いもんね。しかもお菓子食べてるし」

「それなのに細いよねー女の私から見ればスゴい羨ましいよ」


ミルクティーを飲みながら弥生が、続いて購買で買った牛乳プリンを食べながら薫が言う。


「…なんかさぁ最近めっきりすっかり消えたんだよ。よく行ってた店も閉店したり何故か大食いチャレンジ止めちまったりとかさー…」

「それって目が店潰したん…」

「しーっ!」

「遠出しないとダメになっちまったじゃん…なんだよー呪い?んー…しばらく自粛しねぇとダメかな」

「しやがれバカ弟。」

「オニーチャンひどーい」

「殺スぞ」


容赦ない視乃の言葉に目はため息をついて体を起こし、頬を肘につけた。


「あー腹へった。弥生、帰りお前の寮部屋行くから何か作って」

「どうせならみんなで盛大にやる?兄ちゃんも凉音も喜ぶよ。明日学校休みだし」

「さんせーい!」

「アンタの妹の世話は嫌だからな」

「オニーチャン冷たーい」

「殺スぞ」



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