「ここが、お姉ちゃんのいるこうとうぶ…!」


初めまして、凉音と言います!あいさつはちゃんとしなさいってお兄ちゃんとお姉ちゃんに言われてるよ!かんぺきだねっ

今、凉音はお姉ちゃんの忘れ物を届けにお姉ちゃんがいるこうとうぶの玄関前です!
なんでこういうことになったかと言うと、それは朝におきました




「じゃあ私、講習会あるからもう行くね!兄ちゃんと凉音は土曜日で休みだけどその分部屋の掃除とか洗濯とかしてよ?」

「はいな〜」

「はーい!」


そう言ってお姉ちゃんは急いで学校に行きました。今日は土曜日でふつうならお休みだけどお姉ちゃんは保育科の講習会があってお休みじゃないの…
あ、あとね!ここはねっ寮制の学校だけど兄弟とかだったら大きめの部屋もらえていっしょにくらせるの!大学と、こうこうと、中学と、小学校が『〜部』として同じ学校にあるからなんだよ!すごいでしょ!


「よーし掃除すっか!」

「凉音もおそうじするよ!」

「じゃあまずは…あ、」

「?」


お姉ちゃんが学校に行ってから数分後、お兄ちゃんが台所の方をみてちょっとまぬけな声を出しました。凉音も台所の方を見たよ!

そこにあったのはおべんとう。だれのだろう…


「あれ、弥生のじゃね?」

「お姉ちゃんの!?」

「だって俺と凉音今日は弁当いらねぇじゃん。あちゃー今日は土曜日だから購買開いてないのに…」


こうばい、開いてない!?お姉ちゃんお腹ぺこぺこ!?大変!


「凉音、行くよ!」

「え?」

「お兄ちゃんはおそうじとおせんたくしてて!凉音、お姉ちゃんにおべんとう届けに行く!」










ってわけで凉音はこうとうぶの玄関につきました!この学校、とっても大きいからここまで来るのにも時間がかかるんだよ!


玄関にいる警備員さんに事情を説明して中に入れてもらった!えっとね、お姉ちゃんのクラスは2年…2年……


「なに組だっけ…」


忘れちゃったー!!どーしよう…このままだとお姉ちゃんお腹ぺこぺこ…やっぱりお兄ちゃんに頼めばよかったかなぁ…お姉ちゃん、いつも頑張ってるの。だから凉音も頑張りたかったのに…



「な、泣いちゃだめ…こんぐらいで泣くもんか!」


とりあえず、凉音は2年生のクラスがある三階へ行ったよ。でもこの学校たくさん人がいるから廊下も長いの。クラスも多いの


「…どうしよう」


もう少しでお昼なのに、お姉ちゃんお腹ぺこぺこなっちゃう…



「あれ…高等部の人じゃないよね?小等部の子かな?どうしたの?」

「ふぇっ?」


どうすれば解らなくて階段のところに座ってたらうしろから声がしたの。それでふりむいて、見上げればたくさん本を持ったきれいな長い黒髪の人。女の人かな?でも制服は男の人のだ。でも声は女の人とも言えるし男の人とも言えるなー…


「あのね、お姉ちゃんにおべんとう届けに来たの。でもどこの組かわからないんだ。」

「へぇ…お姉ちゃんは何て言う名前?」

「南 弥生だよ!弥生お姉ちゃん!知ってる?」

「うん、知ってるよ。今日は講習会の筈だ。連れていってあげるよ」

「ほんとう!?」

「うん」


とっても優しい人にあったよお兄ちゃん!これでお姉ちゃんお腹ぺこぺこならないね!


「あ、午前の講習会は終わる時間だ。弥生はきっと他の講習会に出ている友達と一緒に食べると思うから談話室かな。談話室行こうか」

「はいっ」


そう言って優しい人は両手で支えていたたくさんの本を片手に持ちなおしてもうかたっぽの手で凉音の手をにぎってくれた。これで迷子にならないね!
にしてもこの人は女の人なのかな?男の人なのかな?よし、


「あなたは女の人?男の人?」

「え、」


廊下を歩きながら凉音がきくと優しい人はお兄ちゃん並みのまぬけな声を出しました。それから困ったように笑ったの。その笑顔もとってもきれいなの


「俺は男だよ。冬樹って言うんだ」


男…!?


「男の人なの!?女の人かと思ってた!ごめんなさい…」

「いやいや、よく言われるんだよね〜やっぱり髪切ろうかな…」

「だめ!髪とってもきれいだからだめだよ!」

「え〜困ったなぁ…でもありがとう。さて、着いたよ」


そんなお話をしてたらだんわしつに着いたんだ。それから冬樹さんがあたりを見回してお姉ちゃんを探してくれたの。すぐに見つかったんだ!だんわしつの一番奥のテーブルのところでお友達といたの


「あ、いたいた。弥生ー!!」

「冬樹?どうしたの…って…」

「弥生に小さなお客さんだよ」

「お姉ちゃん!!」

「凉音!?」


お姉ちゃん、とってもびっくりしてる。急いで凉音のところに来たの。奥にいるお友達もこっちを見てるよ


「どうしたの、凉音?」

「お姉ちゃん、おべんとう忘れたから届けに来たの!あのね、冬樹さんがあんないしてくれたんだよ!」

「そっか…ありがとう、凉音!冬樹もありがとう。」

「たまたま会っただけだからね〜じゃあ俺、本返しに行くから。バイバイ!」

「バイバイ冬樹さんっ!」


そうして重たそうなたくさんの本を抱えて、冬樹さんは本を戻しに行ったのでした。


「でも凉音…アンタもお腹空いたんじゃないの?もうお昼だし…私のあげようか?」

「そこは大丈夫だもんね!」

「?」

「お兄ちゃんが急いでおべんとう作ってくれたの!お姉ちゃんにおべんとう届けたらお姉ちゃんといっしょにお昼ご飯食べれるようにって!」


そうなの。実はお兄ちゃん、急いでおべんとう作ってくれたの。お兄ちゃんよくまぬけな声出したり、いつもなんかふにゃふにゃしてるけど実はすごい人なんだよ!だから凉音はお兄ちゃんも大好きなの!凉音はお兄ちゃんとお姉ちゃんみたいな人になりたいんだ!


「そっか、じゃあ一緒に食べようか!薫と視乃と目が居るけど良い?」

「薫さんと双子さん大好きだから良いよ!」

「よし。じゃあこっちだよ」

「はーい!」



それから凉音はお姉ちゃんとお姉ちゃんのお友達の薫さんと双子の視乃さんと目さんといっしょにお昼ご飯を食べました。薫さんと双子さんはよくうちのお部屋に遊びにくるから知ってるんだ!
視乃さんはよくお姉ちゃんとけんかするけどそれを薫さんと目さんが止めるの。でもね、視乃さんは怖いけど良い人なんだよ!たぶん。だってこの前、一緒に遊んでくれたもん!目さんもいっしょだったけどね!


そしてお昼ご飯を食べおわって、お姉ちゃんは玄関まで見送ってくれました。忙しいのに、お姉ちゃん見送ってくれたの!お姉ちゃん大好き!!




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