前祝い





「一次試験突破おめでとーう!!」

「おめおめー!」


パンパンッといつ買ってきたのか解らないクラッカーを取り出してならすミコト。

一次試験が終わって正午。クラン『カラオケボックス』は会場近くのレストランで昼飯をとっていた。


「まだ一次試験だよ。まだ二次があるじゃんか…大袈裟」

「で、でも嬉しいです。無事合格できて…」

「肉食えって鵺が言ってるぞ」

「クラトス、それ関係ないよ」

「お前は体力戻すのにたくさん食え」

「言われなくてもわーってるよ!おかわりくださーい」


突舞踏は一つの技を使うだけで結構な体力を使う。しかもクラトスはまだ成長期だ。身体が安定していない分、余計に負担が掛かる。師である鵺に言われた様に黙々と食っているのを、少食なセレスはため息混じりに見ていた。


「そういえば、今回他に合格したクランってどこ?」

「半分は落ちたが…まぁ大御所の『古時計(アンティーククロック)』『蘢』『エヴァーグリーン』は合格したな。あとは個人。色んな種族のハーフとか面白いの沢山出てたな」

「『古時計』かー…」


うわ、何故かアイツの顔が出てきた。楽しい食事中なのに


「セレスーっ!」

「…幻聴まで聞こえる」

「サラダを取りたいのかい?取ってあげるヨ!エルー君、ちょっと取ってもいいかい?」

「は、はいっ!」

「サンザシ!エルーに話しかけるな!」


『カラオケボックス』に馴染む様にサラダを取ったサンザシにセレスはついに怒鳴った。そのサンザシは不思議そうに見つめる。


「やぁセレス!そして『カラオケボックス』の皆々様!」

「久しぶりだなー、サンザシ」

「三沢と話すことはないヨ。セレスをクラン『カラオケボックス』に入れた張本人だからネ!」

「そりゃ悪いなー」


黒い笑みを浮かべながらサンザシは三沢に言うが三沢は持ち前の天然で屈託のない笑顔で答えた。セレスはそれを眺めつつサラダを食べる。


「サンザシ!」

「グフッ」



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