一次試験終了





「―――クラトス!!」


セレスは黒山猫で突進する様な勢いでクラトスに近づいて手を伸ばす。クラトスは攻撃を止め、セレスの手を握ってそのまま黒山猫の広い背中に着地した。


「終わらせるぞ!」

「当然!黒山猫、本家の技見せてやれ」


それからたった数秒こと、

ガァッ!とセレスに応えるかの様に、ドラゴンに威嚇する様に黒山猫は鳴くと二人を乗せたまま助走をつけて高く跳躍。セレスとクラトスは必死に掴まっている。ドラゴンが翼を動かし近づかせまいとするが跳躍しながら避けて、前足ね長い爪を更に鋭く変形しさせ、ドラゴンが自ら硬質化した腹の鱗を削いだ。


「エルー!!」

「蕾雷柵縛!」


セレスが大声で言うと更にエルーが事前に準備していた低級の、それでも沢山の応用が出来る雷系魔術をドラゴンに目掛けて使い命中。一瞬動けなくなったところで、クラトスが黒山猫から飛び降りて、落ちながら静かに棍の先端を鱗が剥がれたところに当てた。


「『集攻』牙の構え」



静かに置いた棍の先端。しかしそこから衝撃波が何杯にもなって膨れ、爆ぜた。



「あ、やべ、やりすぎた」

「うわぁあああぁあ!危ない!!」



しかしやりすぎてドラゴンの残骸が四方に飛び散る。当然近くにいるセレスとクラトスにも被害はおよび、汚れない様に気をつけつつ後ろに下がった。






「……………ったく、やりすぎなんだよクラトス!加減しろ!臓物で少し汚れちゃったじゃん!」

「まだまだ俺も未熟だな…」

「とにかく二人共無事で何よりです…!」




「セレス様、クラトス様、エルー様!一次試験突破です!お疲れ様でしたぁ!」


魔人形アルファの声が何処からともなく響く。三沢は画面越しに「よっしゃ」と安心した様に小さく首を頷かせた。


「じゃあ魔術でまた公園に転送しますよー」

「はーい」






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