反撃





突武踏、『広攻』蛇の構え
簡単に言えば棍を払う時に出る風圧かなにかで敵を倒す構えだ


クラトスは一瞬の間に棍を右手を握り、斜め下に構え横に払った。

すると棍事態はそんなに長くはないのに横に払われた棍が五メートルに渡って広がっているアンデットの群れを凪ぎ払った。次にすかざず左に持ち変えまた払う。脆いアンデットの首や四肢がそこら中に吹き飛んだ。


まさに一掃。そしてまた通常の構えに戻ると再び他のアンデットの群れの中に入った。


「エルーは……!」


そろそろ魔術が発動する時間だ。
セレスがもう何体目か解らないアンデットを斬り伏せながら彼女の方を見ると、あふれでる魔力で彼女の透き通る様な水色の髪が靡き、そして彼女の周りは細い炎の円で囲まれていた。

「やっぱりこれか」と思いつつも「なんでこれなんだよ」という感情がセレスの中で同時に生まれつい苦笑いしてしまう。


「クラトス、跳んで!」

「―――!!


セレスの声に直ぐ様クラトスは反応して攻撃を止め高く高く跳躍。セレスも彼程ではないが高く跳んだ。

エルーが発動しようとしている魔術は力は低いものの一瞬で広がりアンデットぐらいの下級異界生物なら蹴散らせる威力だ。


そしてエルーが目を開き、杖で地面を小突く。


「炎耕灼雷 『爆炎華』」


彼女を囲っている炎の円が術者の外側の全方位を、正確には半径約50メートルに広がった。

一瞬で広がった炎を避ける術は魔術で相殺するか幅の広い大剣などの武器で防ぐか、上に跳躍することだ。しかし知能が低いアンデットにはそれをすることは出来ない。
瞬く間にアンデットは炎に包まれた。



「…ふぅ…」

「サンキュー!エルー。熱っ」

「まだ残り火があるけど仕方ないか。助かった…」

「やっと役にたてました!」


今まで彼女から漏れていた魔力とピリピリした緊張感は何処へやら。そう言いたくなる程、エルーは見て癒される様な笑顔を溢した。





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