軽く運動




試験開始から30分後。



「…ち、地下四階といっても特にこれといったモノはありませんね」

「だね。下級の異界生物はいるけど攻撃してこないタイプだし」

「――――!伏せろ!」

「「!?」」


突然のクラトスの声に、セレスとエルーは反射的に身を屈めた。そして二人の上を掠めるのは刃みたいな何か。刃が通り過ぎると直ぐ様立ち上がった。


「うっそ、まれに地下三階に現れるソルダーマウスじゃん…」


三人の目の前には普通の鼠より何倍もある大きさ、大型犬ぐらいの大きさで背中に鋭い刃が無数に生えている異界生物。性格は短気でかなり荒っぽい。


「私達は…か、勝手に彼等の縄張りに入ってしまったのでしょうか…」

「かもな。こいつ等、普段は土の中で暮らしてるし」

「早く対象倒したいのに…エルーは下がって。アンデット倒すのに魔力温存しといてね」


そうエルーに言って、セレスはベルトに挟めている鞘から剣を抜いた。普通の店で売っているが軽くて耐久性がある剣なので重宝している。


「まずは軽く運動か」


次にクラトスが服の長い両方袖から慣れた手つきで棍を取りだしそれをくっつけ伸ばす。あっと言う間に突武踏に必須な漆黒が特徴な棍、『虎龍阡』の出来上がりだ。


二人が前に出て各々の得物を構える。


「弱点は腹だっけ」

「あぁ、でも刃で隠そうとするから気をつけろよ」

「上等。六体だから一人三体ね」



そしてセレスとクラトスは同時にソルダーマウス六体に向かった。

クラトスはまだ突武踏の型を使わずにただ討つ。腹を討とうとするとマウスは腹から刃を出したがクラトスには関係ないその刃を粉砕し、間髪入れずもう一発叩き込んだ。
マウスが気絶して直ぐに二体目のマウスが離れたところから背中から出した刃を飛ばした。


「遅ぇよ」


しかしクラトスは冷静に、虎龍阡を回転させて無数の刃を防ぎ、相手が怯んだところに根を叩き込んだ。





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