開始 「うっ」 「きゃっ」 「よっと」 人型魔人形のフォルテによる移動魔法陣により何処かに飛ばされた三人。飛ばされる前になんとか手を繋いだお陰で離れることはなく全員同じ所に着地出来た。 「なんでクラトスが綺麗に着地出来てんの。『うわっ』とか言ってたのに」 「どんな時でも受け身とったり着地するのは体術やってる奴等には基本!それよりエルーは大丈夫か?」 「な、なんとか…ちょっと背中ぶつけたぐらいですので…」 「無茶しちゃ駄目だよ?エルーは細いんだから。途中で痛くなったら遠慮なく言ってね」 「はい。でも大丈夫です」 「ありがとうございます」と言いながらエルーはセレスの伸ばされた手を借りて立ち上がり、周りを見渡した。 「鍾乳洞?」 「だとしたら…洞窟で言うと国の北にあるN11から18あたりか?」 『みなさーんっ無事着地出来たでしょうか?』 クラトスが呟いたとたん突然、フォルテの声が何処かから大きく響いた。 ついエルーとセレスは耳を塞ぐ。 「!フォルテさんの声…どこから…」 『あぁ、申し訳ありません。音量を間違えました。もう大丈夫ですね!失礼致しました。現在、特殊な魔術により皆様の頭に直接話しかけております。ビックリしないでくださいね!』 「ルール説明か?」 『その通りで御座います。受験番号42番、クラトス様。皆様も只今よりルール説明を致しますのでよォく聞いてくださいね!』 若干楽しそうに言うフォルテとは反対に、受験者達は慎重な赴きになった。 『皆様がいる場所はN13洞窟の地下4階!ここで皆様はチーム参加の場合はチームで、個人参加の方の場合は個人で、普通種のアンデッド300体と子どものアンデッドドラゴンを1体狩っていただきます!制限時間は三時間!リタイアする場合はリタイアと申してください。死亡や仲間を裏切った場合は失格となります。質問は受け付けません!ではスタート!ご健闘をお祈り致します〜』 ルールを一気に説明したフォルテの声は最後にブチッと線が切れる様な音を発てて無くなった。 「…さて、どうしようかな」 碧い目を細めて洞窟の奥を見ながらセレスが言う。 「とりあえず歩くか?地下4階初めてだけど」 「賛成です…歩かないと始まりませんし…」 |