開会式




パンパンパンッと始まりの花火がなる。
受け付けを済ました三人は現在、開会式が行われる公園の中にある深い森にいた。ちなみに三沢達は公園の真ん中にある大きな広場の観客席で、画面越しに見ている。

三人の周りには今年試験を受ける総勢50人がいた。


「やっぱり皆ピリピリしてますね…」

「僕等殺し合いするワケじゃないのにねー相手するのは主に異界生物でしょ?」

「でも少しぐらい緊張しろよ」

「してるよ。ただ表に出したって意味ないもん」

「それは一理ある」


「えー!では!お待たせ致しました!これから開会式を初めますっ!」


いきなり現れた気配と声に、全員自分達の正面にある小さなステージを見る。
そこにはマイクを持った青年…


「またこの魔人形さんか」


ボソッとセレスが呟く。

否、国王が造り出した人間そっくりの魔人形…正確には人型魔人形がいた。人間そっくりだがよく見れば球体間接だし首には身体のパーツを変えることが出来る嵌め込む様な部分があるがきちんと意思がある。

この国はイベントの司会や係員、公共の施設で働いてるモノ・街の掃除をなどをするモノは人型魔人形、国が攻められた時に戦う戦闘に特化した甲型魔人形がいる。噂によると国王を守護する十神と呼ばれる人間がいるらしいがそれは定かではない。



「はいこんにちは!ワタクシ一昨年、去年と引き続き試験の司会を致します、人型魔人形のフォルテと申します。いつもは情報関連の仕事をしております!二日間宜しくお願いしまーす!」


パチパチとまばらに拍手がなる中、フォルテという魔人形は軽く返事をしてすぐに「さて、」と話を切り替える。


「ぶっちゃけ時間が押してますのでちゃっちゃと試験に関してついて説明致します。
まず、これから始まる一次試験。そして明日する最終試験。これのルールや試験方法については始まる直前に申しあげますので今は言えません。ま、これも毎年同じですね。そんなに睨んだら目ェ潰しますよ。
次に観客席側に申しますが、血気盛んなのは大変宜しいです。しかしブーイングでスクリーンに物を投げるのはお止めくださいね〜。ルールに関してはこんな感じでしょうか」



「…相変わらずフォルテはさりげなく毒舌だな」


フォルテの説明を聞きながらクラトスがぼそりと呟く。


「魔人形には意思があるし、特に人型は人間に近いからね」





「では、なんとか時間に間に合ったので始めましょう!」


突然パチンッ!と球体間接ながら器用に指を弾いたフォルテ。
すると受験者の足下に一人ずつ陣が現れた。ゆっくり、それでも焦るぐらいの速さで受験者達を包み込む。


「これは…移動魔法陣…!!」

「クラトス、エルー!手!」

「わーてるっての!うわっ」



陣に包み込まれる前になんとか手を繋いだ三人。繋いだと同時に全員が何処かに移動された。



「毎年ここでチームでの参加者ははぐれたりして詰むんですよね〜ではそろそろ着きましたでしょうかねぇ」


そしてマイクを持ち直してスクリーンのカメラ目線で魔人形のフォルテは言う。



「皆様、無事着地出来たでしょうか?では、一次試験のルールを説明致します!」





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