「あ〜ぁ!今日もいい情報なかったなぁ」 「そうね、ミコト」 エサリナ無統治自由国の首都、タチーニャにあるとある情報屋の店から出てきた白髪に黒いメッシュの少年と白髪に灰色メッシュの少女。そしてミコトと呼ばれた黒メッシュの方の人物が灰色メッシュの少女の前をとぼどぼと歩く。 「やっぱりこの国には妹いないのかしら…」 とぼどぼ歩くミコトの後ろで灰色メッシュの少女がぼそっと呟いた。その呟きにミコトは彼女の方に向きを変える。 「そう簡単に見つからないって!二年ぐらいこの国いるけど、エサリナは広いし、無統治だから色んなモノが流れ着く。妹だってきっと流れ着くよ〜」 「貴方が言うならそうかもね、ご免なさい」 「お兄ちゃんを信じなさいな☆だろ?アーシェ!」 「…はいっ」 ウィンクをして灰色メッシュの少女…アーシェに笑顔を見せる兄のミコト。アーシェもその笑みを見て何処か安心した様に口元を緩めた。 「そういえば明日は試験だよねぇ。懐かしい、二年前、この国に来てからボク等も受けたもん」 「そうね。確か、去年は観客として観ていたじゃない」 「アッハッそうだった!今年も観客側か〜」 「今回はセレスとエルーとクラトスが出るんだからきっちり観ないと」 「そうだね!観客たくさんいるし、妹いるかも!」 「だと良いわね」 「さぁアーシェ、帰ろうか。の前にわたあめ買って?」 「もうすぐ夕方なんだから駄目よ」 「ケチー」 童顔で甘党な兄を持つアーシェははぁ…と困った様にため息をついた。これではどちらが歳上か解りづらい。 「三沢も鵺も待ってるわ。そろそろ買い物を終わらせた三人も帰ってくる。夕食は前祝いでご馳走の予定だから我慢なさい。今わたあめ食べたら夕食食べれなくなるわよ」 「…デザート出るかな?」 「今そのデザートに予約したケーキを取りに行くところよ」 「さっすがアーシェ!!」 |