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始まりのお話みたいな











うす暗い部屋の中に銃声と煙の臭いが広がる。

現在、イヨは人拐いの組織潰しの真っ最中だ。
紅に言われた通り人拐いの組織の壊滅だか複雑な場所にあり、普通、一般人も入って来れない。
人拐いの奴等は音が漏れても誰も来ないと思って盛大に発砲音を鳴らしている。


「…数だけは多いな」


チッと悪態を着いてイヨは長い栗色の髪と仕事用のロングコートを靡かせて、建物の廊下で銃弾を掻い潜って言う。走りながら銃を撃って敵をどんどん倒していく。
剣や刀を持った奴等が近づいて来たらさりげなく銃弾の盾にするか腹を蹴って武器を盗り逆にそれで始末する。銃弾がかわしきれなかったら能力の棘を数本出して防ぐ。

いつもと同じ。個人的に人拐いが嫌いなイヨに情けはない。容赦なく殺していた。まぁどの任務でもいつも容赦はないのだが


『あとは銃を撃ってくる奴等だけか…確かに一般人が来る確率は少ないがもしやということもあるな。早々に終わらせたい』


そう自分の中で決めると、イヨは再び棘を発動させた。さっきの比ではないぐらいの棘を。

辺り一面に棘を生やす。上から狙撃していた奴等も一瞬の内に串刺しにされ、建物に静寂が広がる。


「―――――――!!」


全部終わった。と、思ったら最後に一つ、新しい気配を察知したイヨは仕舞おうとしていた銃をすぐ構えて廊下の階段側にいる奴を撃つ。うす暗くて見え辛かったが金髪の人物だ。

パンパンッと銃声が二回だけなった。


「これで終わりかな…帰るか」


きちんと心臓に二発当てて、相手が倒れる音がするとイヨは携帯で十闇に連絡。そして彼が遠距離操作した移動の能力でその場からすぐ離れた。















・・・・・・・・・


「紅、やってきたぞ」

「お帰りイヨ。何もなかった?」


基地に帰ってすぐまとめ役の紅に報告するのがルール。イヨは紅のいる仕事部屋に居た。


「結構人数が多かったな」

「まぁあの人拐いは東地方の人口が多い国の出身の集まりだからね」

「……東地方出身?」


紅の言葉で、イヨの中に嫌な予感が走り訊き返す。


「うん。どうかした?」

「東地方の奴等は黒髪か茶髪だろう?最後に始末した奴が金髪だったんだ。暗くてよく見えなかったが…」

「………」

「……紅、もしかすると私は…」

「髪を染めてたっていう可能性は?」

「そうは見えない鮮やかさだったぞ」

「……………」

「…しかしあそこに一般人が来るとはあり得ない。何かしらヤバいところの奴だろうな。気配や雰囲気がとても怪しかった。死んだか確認してないし。でも心臓には命中した筈なんだが…」


暫くの間、紅の仕事部屋に重い沈黙が流れる。



「…まぁ過ぎたコトは仕方ないか。イヨが怪しい雰囲気って言った奴はだいたい色々と当たってるし」

「……すまない」






―――――――――


仕方ないで片付けちゃうさっくり革命組織クオリティ
撃たれた人は…言わずもかな




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