通常コラボ小説 | ナノ


※永倉さまのRecommendationの続きです!
※パスしっかり受け止めましたぁ!!

※mainにあるバトンを見てから読んだ方が良いかもしれません。






















数日前、なんかの成り行きで師匠と弟子な関係になってしまった日暗とシドレ。


「イヨ酒飲むと色々とヤバいから気を付けろな!まぁこっそりツバサに教えてやれよ!またはシドレちゃんが実戦してみるかだなー。もちろん、手伝うぜ! 」


面白そうにシドレに話してしまった日暗のこの一言が全ての始まりだった。





















「飲まない!!」


差し出されたコップを受け取らず、イヨの第一声がこれだった。




「なんで?」


「…飲み過ぎたらなんか記憶が飛んでて…気がついたら朝で…毎回十闇が介抱してくれてるらしいし…だからダメだ!きっと嫌なこと起きる!!」

「んなコトねぇって!俺酒強いし、イヨ俺の妹だし!酒強い俺の妹なんだから大丈夫だって!それに度数弱めだし。」



俺とツバサにとっては。


と言う日暗のブラックな心の声がツバサにはきちんと聞こえていた。



「兄貴は異常に酒強いだろうが!」

「イヨったらヒドイなー。一緒に飲んでくれなきゃお兄ちゃんアレしちゃうぜ?」

「アレ?」


そっ!と笑顔で言うと日暗はイヨの耳元で囁くように言う。


「秘技スカート捲「ふざけるな!!」ぐへらっ!」


日暗の言葉を遮りしなやかな脚で兄を容赦なく蹴り飛ばすイヨ。そして兄は奇声を発して後ろに飛ばされ、シドレがアイの後ろで「師匠ー!」と叫ぶ。



「バカ兄貴め…っ」

「まぁまぁイヨちゃん。」

「ちゃん付けするな」

「少しぐらい飲みなよ。ちょっとなら大丈夫なんでしょ?」

「……まぁ…少しなら。」


ツバサの笑顔に負け、最終的にイヨは渋々と了承してちょこんとツバサの横に座った。
そしてその他の面子もソファーに座り、日暗はイヨの真正面に座った。



「うおーイヨの蹴り痛かったなぁ…お兄ちゃんスゲー悲しい…せっかくケーキ持ってきたのに…」

「それを早く言えバカ兄貴!」

「ハイハイ、ごめんなさい。」

目を輝かせて言うイヨに苦笑して、日暗はどこからかケーキを取り出し皿にのせてイヨの前に置く。そして談笑会が始まった。















暫くして、日暗がよいしょっと言って席を立つ。


「あー俺そろそろ戻らないと。じゃあなーシドレちゃん!」

「はいっ…て触らないでくださぃぃぃぃっ!!って……?」


ソファーを挟んで後ろから抱きつこうとした日暗を反射的に避けて、いつもと同じ過剰なリアクションをするシドレ。

だったが今回は少し違った。


ソファーの背もたれと自分の背中の間に不思議な違和感。

日暗はもう一メートル離れていて安全圏に入っていたからそっと背中と背もたれの間を見ると、そこには黒い銃が二丁と何かメモ書きがされた紙切れが一枚。
直ぐ様ばっと日暗の方を向くとニヤニヤと楽しそうに口を緩めている彼。


「師匠…!!いつの間に…」

「蹴られた時にな!盗っちゃった」


小声でさすが師匠です!とシドレが目をキラキラさせながら言うと、日暗はにまーっと無邪気な子供みたいな笑顔を浮かべて部屋に居る全員に「じゃあなーっ。ツバサ、イヨのコトよろしく!」と言って部屋を出た。


黒い銃とはイヨの銃。
紙切れには意外と綺麗な字体で

『あのケーキには酒入ってるんだ!』

と書いてあった。


それをワールとアイとシドレで見て「ぬかりない」と思ったのは言うまでもない。


そして部屋を出て、玄関に向かいながら日暗は呟く。


「酒入りケーキのコトは予めツバサに言ってたし大丈夫だろ。…彼氏の前で暴れるコトはないし…あの調子だと、今回のイヨはデレるかなー♪」


確信犯の兄貴がここに一人。














「ツバサ。」

「ん?」

「なんか、頭ほわほわしてきた…」


日暗が部屋を出て暫くしてから、酒入りケーキを食べてしまったなど微塵もしらないイヨが少し目をとろんとさせて呟く様にツバサに話しかける。


「大丈夫?」


酔うの早すぎないかと内心驚きながらもしかしどこか愉快そうにツバサがイヨの頭を撫でると彼女はそれが気持ち良いのか猫の様に擦り寄りそのまま力任せに彼を押し倒す。
その光景にシドレは思わず興奮してイヨに飛びつきそうになったが再びワールとアイがなんとか押さえた。



「ツバサ、夏生まれなんだろ?」

「うん。」

「私も、夏生まれなんだ…いや春?違う、それは別な人だ…。8月の4日だったけな…私は、だが。」

「本当に?」


またもや突然の告白にツバサが聞き返すとイヨは「うそはつかないぞ」と、ついに呂律が回らない口でいう。
そんな彼女からはいつもの凛とした雰囲気は消え失せていた。

「なぁツバサ、私になんかしてもらいたいコトとかないか?たんじょーびなんだろ?」




ツバサの腕を力無く押さえて頬をほんのり紅潮とさせ、彼を見下ろしながらイヨは言った。
そしてその状態でぼそっと彼にしか聞こえないぐらい小さな声で付け足す。「ツバサはここにいるんだから。」と








――――――――――

それを永倉さまへパス返し!てやっ!(←


日暗は酔いません。なるとしてもちょっと陽気になるだけ。ウザさ三割増。でも何故か憎めないウザさ。


ちなみに、

鈴芽はあまり酒に強くありません。少し飲むとぽわわ〜んとして、完全に酔うと泣きます。なんか母性本能くすぐられる様な泣き方。

鈴見は鈴芽が酔うと自然的に酔ってしまうので『中』で酔い潰れてそのまま寝ちゃう。だけど『表』にでたときはあまり酔わない。酒に強いです。でも酔うといつもより凶暴になります。なのにどこか色気あるという。(謎)

十闇はどんだけ飲んでも酔いません。酒豪です。イヨの介抱出来るのもそのせい。


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