※永倉さまの『Usually』の続き…です!!ごめんなさい!! 「で、また寝ちまったあと自分らしくないなーと思いながらもさっさとツバサさんの書斎から帰ったと」 「あぁ。」 「イヨらしくないねー」 「自分でもそう思ってる」 あの日から…つまりイヨが『怖い夢』を視て翌日。さっそくイヨはソラの彼氏である鈴芽と多分自分のことを誰よりも解っているであろう相棒の十闇に話していた。 ちなみに今は何故か十闇の部屋。 いつも使う指令室は部屋では狭いからという理由で大量の資料を持ち込んで紅がそれをまとめていて、蒼はそれを手伝っていた。 更についでに言うと焔羅と華蓮は任務中。 「鈴芽は革命と恋愛ならどっち選ぶ?」 「は………?どーしたイキナリ」 「…もしかしてイヨ、何か嫌な夢でも視た?」 「夢…?」 鈴芽が十闇に問い返す。 心配そうな表情をしながら十闇はイヨを見つめて、イヨは小さく頷く。 その彼女の雰囲気に怖い夢を視ただけでこんなに怯えるだろうか?と鈴芽と中にいる鈴見、二人同時に同じことを思ってしまった。 「イヨの視る夢は色々とリアルだからね」 その鈴芽達の疑問が解ったのか十闇が彼等達に説明。十闇は中を視る力に長けているから鈴見の存在は随分前に知っていた。ただ彼が鈴芽に訊かないだけで 「で、鈴芽はどうするんだ?」 再びイヨが鈴芽に、鈴見にも訊く。 (どーするっつっても…) 『どーもこうもねぇよ。』 「革命に決まってるだろ。」 一瞬だけ鈴見と会話をしてからいつもの声色で当たり前の様に鈴芽は言った。 「…やっぱりそうだよな。」 「此処にいる奴等はそれぞれ何かしらの思惑とか願いとか理由とかがある。多分それらはきっと自分にとって世界で一番大切なモノ。 だから恋愛は二の次だ。 でもってやってるコトは違うけどそれはツバサさんもソラも同じだと思う」 「そうだよな…それが私達にとって当たり前なんだよな。」 「そうだね。普通のヒトから見れば異常かもしれないけどオレ等はそんな世界にいるんだから。」 「うん。」 にこりと十闇が微笑みながら言うと、イヨも何処か安心した様な表情で返事を返した。 「…すまない、また眠くなってきた。」 暫くして、突然イヨに眠気が襲ってきて目を手で擦りながら言ってから鈴芽は座っていたソファーから立ち上がる。 「緊張の糸がほぐれたんじゃねぇのか?じゃ、俺部屋戻るから」 「はーいっ」 「鈴芽、有難う。」 「いや、俺も考えさせてもらったから…有難うな。」 そう言って、鈴芽はドアを静かに閉めて部屋へと戻った。 「ねぇ、そんなに眠いんなら寝た方が良いよ?」 鈴芽がドアを閉める時も、睡魔に負けそうになり首がガクッとなってテーブルに頭をぶつけそうになったイヨを気遣い十闇が言う。 「もう眠たくないから大丈夫。でもそろそろ戻ろうかな」 「はいなー」 鈴芽に引き続き、彼女が席を立つ。 そしてくるりと十闇の方を向いた。 何故かいつもとは違う雰囲気を彼女は纏わせて。 「十闇」 「なに?」 突然のことなのに十闇は全然驚かない。 「アイツがイヨの中を視ようとしたりとか傷つけたりとか…とにかく、イヨに何かしようとしたらその時はよろしくな?確かに本当に危ない時は自分が変わりになって彼女の記憶や心ならある程度守れるけど、それでも何をされるか解らない。それぐらいアイツは信用ならないんだから」 「……何で突然そんなコトを?」 「言うタイミングが無かったからね。イヨはアイツを信用している。でも『オレ』はアイツをこれっぽっちも信用していないからさ。大切にしてくれてるのは認めてるけど」 中に何かを抱えすぎている奴なんかオレは信用出来ないな。 と不愉快そうに彼女は付け足した。 「じゃあ十闇、そろそろイヨを寝かしてくるよ」 最後に彼女ならしない妖しい笑みを浮かべて彼女はパタンッとドアを閉めた。 |