通常コラボ小説 | ナノ


※永倉さまのSmall existenceの続き…勝手に
※よって
The two people
其々徒然
Tying string
不可視的空想論
Small existence
の順に読んでから読むのを推薦します。…勝手に

謝ります、申し訳ありません。









「……と言うわけだ。だからもう怒るな」

「怒っちゃねぇよ。…多分」



頬に肘をついてむすっとしながら鈴芽が言う。

ツバサの仲間のミントという人物の能力で基地に戻って来たイヨは、現在鈴芽がいつもいる装備室に足を運ばせていた。いつも装備品で溢れている部屋だが、不思議と落ち着くことができた。


「年長者として心配してただけだと。アイツ言い方が回りくどいから」


そう言ってイヨはスカートの裏に隠しているホルダーから銃を抜いて引き金に指を絡めてくるくると回す
これがイヨの癖で、何か別な考え事をしている時にするというコトを鈴芽は十闇から聞いていた。

しかしそれを気にしないで鈴芽は話を続ける。


「だけどハッキリ言えば付き合うのはやめた方が良いって感じの意味だろ?」

「それはツバサがお前と逢ったコトが無いからだろう?きちんと私が説明したから大丈夫。ツバサも『謝っといて』と言ってた。というかそれ以前に気にするな」

「俺等は気にしちゃいねぇよ。誰に言われてもソラと付き合うつもりだ。
ただ言い方が回りくどいから…いや、」



言葉を中断して鈴芽は機械類が無造作に積もっているデスク越しに深い緑色の瞳でイヨを見つめる


「何だ。私の顔に何かついているのか?」

「いや、ただなんとなーくイヨは幸せなのかなと」

「は?」


銃を弄んでいた手が止まる。


「ハッキリ言うが話を聞いた限りツバサさんは俺より何かあるぜ?隠してるコト沢山あるっぽいしそれでイヨは大丈夫なのか?」

「……大丈夫だよ。」


いつもの様に淡々としかし目を伏せながら言うイヨ。
だがそれも一瞬のことですぐ表情を元に戻した。


「私も色々…ツバサに隠してるし、いつか互いに話せる日か来るまで待ってるつもり。」

「……なら良いや。
これ以上は何も言わないし言えねぇ。今のイヨは幸せそうだ」

「そうか?有難う。」


そう言ってツバサには滅多に見せない微笑を浮かべるイヨ。
鈴芽もつられて口元を緩めた



「明日辺りソラのところ行く予定なんだよな…もしツバサさんにバッタリ逢ったら挨拶でもしとこうかな。
『天然さんを宜しく』って」

「待て、それどう言う意味だ。」

「そのままの意味だよ。ホント、イヨってもったいねぇな」


ソラは別として多分スタイル良いし毎日戦ってるのに傷ねぇし、普通の女よりは美人の類いに入るのに粗暴とか口調とか…何かが足りないんだよな。
ま、それがイヨっぽいけど


「はぁ?」

「ほらもう部屋戻れ。何時だと思ってんだよ。眠いんだよ俺」

「ちょ、あ、鈴芽!」

「はいはいご退場ー」


パタン。


イヨの背中を押して、半ば強制的に部屋から出した鈴芽。
そしてひとりでに呟く

否、鈴見に話し掛けた



「…な、どっちが大変だと思う?」

『は?何が?』

「俺等とソラかイヨとツバサさんか、どっちが大変そうだと思う?」

『んなの知るか。互いに事情あるんだからよ、俺等が心配しても意味ねぇし
つかしねぇよあんな特殊なカップルなんかさ。』

「…鈴見は手厳しいな」

『うっせぇ』
















場所は変わってイヨの部屋


疲れたからさっとシャワーを浴びてネグリジェを着てベッドの上で横に寝転がるイヨ。その横には愛用の銃が二丁とブローチを着けたままの赤い帯。


「いつか話せる日かくると良いな」

オレのコトを?

「……どうだろうな」

彼のコト、心配?

「…そりゃ、心配だよ…だって私は」

あれ?
「…………くぅ」

……寝ちゃった?お休み、イヨ



私は、ツバサの彼女なんだから…


中に居る自分と同じで違う存在に向かって静かに言う。

そしてきゅっと赤い帯を握りしめながらイヨは眠りについた








―――――――――

ほぼ会話文になった…

最後の橙色の言葉は解る人には解る。




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