共鳴 本編 | ナノ


再会と挨拶 (2/5)



「まぁ適当に座れや」


そう獅子河原が言うと、何処からともなく現れた。心乃原達が普通に座ってから若干驚きつつも雪瀬と灰々も座った。


「じゃあバティンの雪瀬。お前さんがルシファーとどういう関係か知ってるか?」

「うん。バティンは…ルシファーの側近で、よく仕事サボったりする彼を引き留めたり子供っぽい彼をなんとかしてたんだよね」

「いやーんっ雪瀬ったらそんなこと思い出しちゃったんだ〜恥ずかしいっ」


きゃーっとわざとらしく手を頬に当てて恥ずかしそうに言うルシファーを他所に話は続く。


「じゃあルシファーの『兵』だったってことは?」

「…思い出してない。兵って?」


「人ならざる者はね、誰かと繋がりを持ってるの。人生を共に歩く存在、自分の存在に一番近い存在。一心同体って言っても過言ではないわね。お互い出会ったら共鳴してびびっとくるの。それを『レゾナンス』って言うわ」


突然、心乃原が紅茶を一口飲んでから言った。


「そや。言霊遊びはレゾナンスがペアになってやる。そして言霊担当を『奏者』、戦闘担当を『兵』って言うんや」

「でもよくルシファーにはリリスっていう奥さんがいるって聞くよ。リリスがそのレゾナンスじゃないの?」


「ルシファー、リリスってのはあくまでも『役職名』。レゾナンスは身分や種族関係なくあるんだよ。天使と悪魔がレゾナンスなったり妖怪と天使がなったりってね!だからぁ俺と雪瀬はレゾナンスなのっ」


隣に座る雪瀬に抱きつきながらルシファーが嬉しそうに言った。もう慣れたのか雪瀬はそれをスルーしている。その時、灰々が質問した。


「じゃ、じゃあ僕にもいるんですか!?」

「お〜いるんじゃね?お前さんが灰香だった時には既にいた筈だから…」

「獅子河原さんはその、僕のレゾナンスを顔を知らないのですか?」

「すまんのぉ…灰香はいつも神王に逢いにくる時は一人だったからな。お前さんのレゾナンスもきっとお前さんを捜しちょるんじゃないか?なんせ二週間以上離れてるんだからなぁ」

「捜さないと…僕と、一心同体の人」


しゅんと灰々は耳を垂らせる。が、翡翠色の瞳は絶対捜そうと決心していた。


「…で、雪瀬はどうするんだ?」



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