共鳴 本編 | ナノ


繋がり糸 (4/5)



「な、なに思いっきり轢いてるんですかー!!」

「黙れもやし狐!アイツ等はゲーデ…通称『死神』の部下、職業や自分の役目がまだ決まってない見習い悪魔達だ。悪魔だし頑丈だから轢かれても死なねぇよ。それにアタシだって悪魔を殺さねぇよ。それは世界の均衡を乱すやっちゃいけねぇ行為だからな」


灰々の大声に負けない声で、すごいバンドル捌きで銃撃を避けながらユウが言う。運び屋って言っていたし、やっぱり車の扱いには長けているのしれない


「で、ではなんで向かってくるのですか?」

「そりゃ雪瀬目当てよ〜」

「僕?」

「だって貴方、本当は仮死になってからあの見習い悪魔達がきちんと魂を三途の川に送る筈だったんですもの。でも私が無理矢理、中途半端に生き返らせた」

「つまり…また僕を回収しに?」

「あと今日だけで世界法律を30ぐらい破っちゃった私を捉えにかな!」


アッハッと無邪気な笑みを浮かべて言う心乃原。世界法律ってよく解らないけど、やっぱりこの人はとんでもない人だってことはよく解った。


「ったくゲーデも大先輩な私を捉えて更にその連れである雪瀬も回収しようとするなんて…まぁ魂を回収する役職だから致し方ないし、彼自身も気乗りしてないだろうから許してあげようっと」

「ですが心乃原姐さん、このままだと追い付かれるし…お恥ずかしいけどスピード上げようにも攻撃であまり上げられねぇ…どうすりゃ良い?」



「それはもう、応戦しかないわね。ユウ、車を止めなさい」

「!!」


心乃原の言葉にユウは目を大きく開けた。しかしすぐ車を止めた。すると心乃原と氷月が車の外に出た。


「雪瀬は車に乗ってなさい」

「……解った」

「あ、灰々は出てきて。盾ぐらいにはなるでしょ」

「そ、そんなぁ!ってか何ですかそれ!?」

「いいから!」


突然呼ばれた灰々は獣耳をしょぼくれさせてしぶしぶと車から出た。


「貴方にはやってもらいことがあるのよ」

「た、盾ですか…?」

「まぁそうとも言えるわね〜」

「!!?」



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