〇〇屋 (2/4) 「え…?」 「死んでるわよ。いや、私達で言う完全な死ではないけどね」 「は?意味が全く解らないんだけど、だって僕、ここに」 「でもトラックに轢かれた感覚は覚えてるでしょう?それにその死装束。人間的に言うと完璧に死んでるわ」 「意味が解らないな。しかも人間的ってまるでアンタが人間じゃない様に聞こえるな」 「鋭いわね」 雪瀬の挑発的な言葉にも動じずに未だに灰々の頭を台にしながらニヤリと口を緩めて言う。その台になっている灰々はもう無理ですってば…っと言いながら必死に堪えてる。 「ご名答!私、いや私達は人間じゃないのよ〜驚いた?」 「全然」 「あらあら、まぁ、そうかしらね。貴方から見れば。正確には貴方の昔がそうだったら動じない。別に貴方がクールで淡白で物事に無関心だということではないから心配しないで」 「それ誉め言葉?」 「案外驚かないモノなんだな、つまらない」 「そりゃあ人間離れした君と獣耳と尻尾が生えてるヤツ見ればね」 部屋の奥で、背もたれに壁を使っている氷月のがっかりした問いに雪瀬はハッと呆れた様に言う。そこでパチンッと心乃原が手を叩き、部屋にいる人全員の注目を集め、台にしていた灰々から離れた。 「さて…じゃあそんな私達を驚かないで、偏見を持たないでくれた雪瀬に今の貴方自身の状況を教えてあげる」 |