言霊遊び (6/6) パリンと音を発てて心乃原と氷月達を隔てていた薄い硝子が崩れた。 「心乃原さん!先程の怪我は大丈夫ですか!?」 隔てていたガラスが崩れると同時に灰々は心乃原の元へ駆けた。 「ほら、大丈夫よさっきの帯でもう治ったから。ここか言霊遊びの利点ね」 そして心乃原は裾をたくしあげ、腕を氷月と灰々に見せた。 「心乃原、なぜ離脱させた」 「だってあの子達まだ子供だし、若い芽を潰したくないのよ。さて…灰々貴方、何か思い出したかしら?」 「え?」 いきなり話を変えて、碧眼で見つめてきた心乃原に灰々はついすっとんきょうな声をあげた。 「記憶を無くす前の灰々は言霊遊びをしていたわ。だからこの言霊遊びを見れば何か思い出すかなーって期待してたんだけど…」 「すみません…」 「謝れても困るわよ!さて、時間は…8時20分…今から家戻って支度するのに…」 「遅刻決定だな。あの生活委員に色々言われそうだ」 「仕方ない仕方ないっと!さっさと家帰るわよ。」 「は、はい!」 心乃原と氷月の後ろに灰々は獣耳と尾をしまってから急いで着いていく。 そこであることに気づき、胸の中で呟く 依頼とか言霊遊びとかさっきから不思議なことがありまくって結構時間経ったと思ったのに… まだ朝だ… 了。 |