言霊遊び (4/6) 「さぁどうするのかしら?」 「そんなこと決まっている! 」 『私たちの名は双輪、一心同体。』 『我らは二人で一つ』 『故に防御は二人分』 『固い壁よ我らを被い兄妹を守って!』 妹の言霊でさっき心乃原の壁より分厚い壁が現れスコココンッとガラスの破片が刺さって狛犬二人を守りよって心乃原の攻撃は阻止される形に終わった。 それでも『たまたまなんとか』防御を展開出来ただけの妹は心の中で焦っていた。 「妹」 それを察してか、片割れである兄が妹を呼ぶ 「シンプルな言葉じゃあの女には傷一つつけられない。落ち着いて言葉を選んで紡げ。 お前の邪魔になるのは嫌だからこのターン、俺は動かない」 「解りました。ありがとう…そうだよね。ちょっと驚いただけだから…いくよ。」 妹は兄の助言で少し落ち着きを取り戻し、一回深呼吸。そして目をつぶって唱える。 『烈、波、風』 『少しでも』 『多くでも』 『切断、切除!!』 妹の気持ちに答える様にさっきより速い見えない風の刃が心乃原を襲う。 【防げ!防御】 『否!少しでも、多くでも!一つでもいい!あの女に当たれ!!』 「――――――――っ!」 心乃原の顔が僅かに苦痛に歪む。 今度は妹の声が心乃原を勝り、刃が心乃原の右腕と左脚にかすった。 すると地面から白い包帯の様なモノが現れ、攻撃が当たった心乃原の右腕と左脚に絡み付く。 |