言霊遊び (2/6) 「私が奏者」 「俺が兵」 「了解よ。先攻もそっちに譲る」 どんどんと、狙われている灰々が解らない『言霊遊び』が進んでいき、灰々は何がどうなってこのゲームみたいな状況になったのが全然理解出来なかった。 そしてついに我慢出来なくなった灰々は決心を固めて氷月に訊くことに 「氷月さん!」 「何だ。隣でデカイ声を出すな」 「……ごめんなさい。」 しかし氷月の無表情と棒読みの威圧に強気だったテンションが一気に下がる。それを見て、氷月は「またやってしまった」と呟きため息をついた。 「すまない、俺の態度が悪かったな。こういう言い方しか出来ないんだ」 「いえ、そんなこと…」 「そんなことより何だ。」 「言霊遊びとは一体どのようなものなのでしょうか?」 「あぁ、そうだったな。お前記憶ないんだった…」 そこで氷月は言葉をと切らせ何かを考える様に顎に手をあてる。 「氷月さん?」 「いや何でもない…解った、遊び方を説明しよう。紀元は面倒だからまた後で説明する」 「解りました!お願いします」 灰々の返事を訊いて、間を空けてから氷月はルールを話し始めた。 「元々人間ではない者の誰しもは言葉、つまり言霊を操る力を持っている。それを利用した遊びが言霊遊びだ。 ルールを簡潔に言えば先攻後攻を決め言霊を使って相手を倒す。それだけ だがやり方が少しややこしい。」 「ややこしいとは、その…兵とか奏者のこととかですか?」 「あぁ。 奏者は言霊を使う者。それは解るな?兵が少しややこしい 兵は自分の奏者が敵を攻撃している時に相手の奏者に追加攻撃出来る者であり自分の奏者が攻撃されている時に自分の奏者を守る者だ」 「つまり…自分のターンの時は相手に言霊の攻撃と兵の直接攻撃、2つの攻撃が出来るんですね!」 「そう。そしてその攻撃を受けた方の兵か奏者、どちらかが自分と自分のパートナーを守るために防御行動が出来る。二人総出で防御行動が出来ないのが大切だ。二人総出だと完全に防御が出来てしまうから勝敗がつかなくなるからな」 「なるほど…奥が深いと言うかなんというか…」 首を曲げて、それと同時に尾と耳も傾けながら頭の中で必死に話を纏めようとする灰々。 それを一瞥してから氷月は心乃原の方に目線を代えた。 「ちなみに相手が自分を攻撃しているときは相手に攻撃できない。きちんと順番を守れということだな。 まぁ口では説明しずらいから見た方が早い……始まるぞ」 |