頼み事 (4/7) 「つまりぃ?お前さんは二週間前川辺でぶっ倒れてて、そん時に記憶を無くしたと」 「はい」 この話、どっかでしたことあるような…と思いながら僕は足りない言葉を使って何とか話した。 「あの、閻魔様…」 「獅子河原で良いぞー」 「じゃあ獅子河原さん、何故僕を心乃原さん達に頼んでここへ連れてきたのですか?」 「あー落ち込むなよ?それはな、お前さんを隔離するためだ」 ……………………え?? 「やっぱりショックだよなぁ」 「ちょっとそれどういう事よ」 心乃原さんが不機嫌そうに言う 「禍い者って意味、心乃原は知っとるよな?」 「勿論。 矛盾している者、本来なら存在しないするはずがない者の事 ヒトはそれを恐れて、または畏怖して禍い者と呼ぶ。 そして普通のヒトとは違うので文字通り禍(ワザワイ)が起こるとも言われるわ」 そうなんだ…心乃原さんの説明でようやく禍い者の意味を知った そうなんだ… 「さっすがアガリアレプト」 「元よ。で?もしこの子が禍い者であっても隔離する必要は無いはずよ」 「…それが関係あるんだよ。」 「「!!」」 「えっ…」 「本来なら覚えて無い事を改めて教えなくても良い事だけど事情が事情だ」 獅子河原さんの声色が突然低くなって真面目な表情になる 「灰々 壬里、お前さんはお前さんの仕出かした事を償うため、お前さんの存在をこの世に留めておくために知る必要があるんだよ」 真面目な表情のまま獅子河原さんの赤い眼が僕を刺す 僕が仕出かした事…? 僕はなぜ禍い者なの…? 留めるって…何? 「………僕、一体何をしたんですか?教えてください。僕は僕を知りたいんです!!」 どんな事になっても自分自身を知らない事は駄目。 逃げる事はしたくないから 「よぉし!よく言ったならワレが記憶蘇らせてやるぜ」 「はい!!!?」 「そんな事が出来るのか?たかが獅子河原に」 「おい氷月どういう意味だよそれ これでも泣く子も黙る閻魔様だぜ!!」 「そうか、それは知らなかった」 完全に見下した様子で…実際彼の方が背は高いんだけどもそれ以外にも見下した様子で閻魔様の獅子河原さんに言う氷月さん もしかして二人は仲が悪いのかな…? 「あ〜コホン。まぁ全部を蘇らせるのは無理だけどな、その様子から見てある記憶の部分だけ誰かに持っていかれたっぽいからそこは自力で取り戻さんきゃいけないが…記憶を無くした理由ぐらいは蘇らせるだろ。 お前さんを隔離する理由を話すのはそれからだ」 「は、はい!宜しくお願い致します!!」 「良い返事だ、ほんじゃまぁ… スッと獅子河原さんは僕の額にデコピンをするように構える お休みな」 コツンと獅子河原さんのデコピンが額にあたって、そこから意識が無くなった。 |