共鳴 本編 | ナノ


頼み事 (3/7)




コツコツと、幅も長さも普通の何倍もある通路を歩く僕等

閻魔様はこの通路の突き当たりの部屋に居るらしいけど…


「やっぱり緊張します…」

「大丈夫だって!私と獅子河原…閻魔様は同期だったから仲が良いの。そんなに緊張してたら会った時に逆に腰が抜けるわよ」

「そうですか…」


そんなことを言ってたらいつの間にか閻魔様が居る部屋の前

部屋の扉を守る鬼二匹が心乃原さんを見るとペコリと頭を下げて扉を開けてくれた

そんな時、ふと思った。
心乃原さんってどんだけ顔広いんだろう…


扉が完全に開くと僕等は閻魔様の部屋に入る。
すると扉が閉まったからちょっと驚いた


「わ…書類の山…」


思わず呟いてしまう程、目の前には書類の山々が。
机の上だけではなく床にも書類が積み重なっていて広い部屋なのに殆ど書類で埋め尽くされていた。


「獅子河原、久しぶりね」


閻魔様らしき方の姿なんて居ないのに心乃原さんは机の方に向かって挨拶をする。
返事が無いじゃん



「おー!やっと来たか!」


と思ったのに書類の山々の隙間から突然顔を出した如何にも今時でチャラそうな若い男の人…もしかして?



「アイツが現在、閻魔の役職に着いている獅子河原 千晶だ」


ちらっと氷月さんの方に目線を向けたら氷月さんが答えてくれた。


「マジですか。」

「あぁ」

「よーぅ相変わらず無愛想だな氷月!」

「触るな」


「さてさてーワイが頼んでたアイツは何処だ?」

「氷月の隣、貴方の斜め前よ」

「ん?…お、居た居た!お前さんが狐か!」

「は、はいっ」

「何だよお前さんちっさいな。ホントに禍い者か?」

「え、えと…」


テンションについていけない…


「その子よ、ただ一つ問題があってね…記憶喪失らしいのよ」

「……うっそーん」


テンションについていけない僕の代わりに心乃原さんが閻魔様に教えてくれた。

そして閻魔様はすっとんきょうな声を出して…本当にこの人閻魔様なの?って思った


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