頼み事 (1/7) 閻魔様 正式名称は閻魔大王。 他にも略して閻羅、閻王とも言われ神王の下に着く三賢者の一人。 天界を取り纏めるミカエル様、冥界を取り纏めるルシファー様と並ぶ者であり魂流界で総司として死者の生前の罪を裁くお方である。 そんな高貴なお方に… 「閻魔様にお会いするのですかぁぁぁぁっ!!?」 妖怪街の外れで空狐で九尾、灰々の声が響いた。 「まぁ閻魔大王ってのはあくまで 『役職』の名前で、今その役職についているのは獅子河原 千晶(シシガハラ チアキ)と言うチャラ男だからそんなに吃驚しなくて良いわよ」 「ですけど…どうやって行くんですか?閻魔様がお住みになられている所は普通の者は入れない……って、あ」 何かに気がついたのか言葉を途中で終わらせる 「お二方は何ですか?妖怪にも見えないし…」 灰々がおずおずと訊くと心乃原は「あぁそうだったわね」と言う 「私は『元』悪魔。 役職はアガリアレプトだったの」 「俺は『元』天使。 役職は掛け持ちでザフキエルとカマエルだった」 「そんな凄い役職に着いていたのですか…というか役職を辞める事が出来るとは知りませんでした」 「長い間同じ役職に居ると辞めたくなる奴がいるって事。私と氷月が其れだっただけ。簡単には辞められないけどね」 「筆記試験で95点以上とらないといけない」 「へ〜」 「とりあえず私達は昔結構な位の存在だから閻魔にも会えるの」 「もう凄いとしか言いようがありません!」 「有難う、なら行くわよ。」 パチン! 心乃原が指を鳴らすと三人の足元に魔方陣が現れる 「【領域解放】」 【私、心乃原 謎古と元天使、法塚 氷月と妖狐、灰々 壬里を移動】 【移動場所は魂流界宮廷】」 心乃原を中心に風が吹き、彼女の声が脳内に響く様に聞こえる 『……何だこれ不思議な言葉だ』 「あ、あの… 「今、心乃原に話し掛けるなよ」 ──────えっ?」 不思議と思いまさに心乃原に話し掛け様とした灰々を氷月が止める 「心乃原は今、言霊を使っている だから話し掛けるな」 「ことだま???」 訳解らないよ… 「後で教えてやる。来るぞ」 「【妖怪街に吹く風よ私達を魂流界宮廷へ運べ!!】」 そして突然心乃原の大きな声と共に、彼女を中心として吹く風が突風となり三人を包み込んだ 「うわ、風が……!!」 「大丈夫よ。体の力を抜いて」 「心乃原さん…!?」 「風に身を任せるのよ」 「……風に身を…?」 「この風は安全だから。信じて」 「は、はいっ!」 突風で辺りが見えない中 心乃原の言葉を信じ体の力を抜く。 すると体が浮いた様な感じがして… 「─────あれ?」 気がつけば巨大な門の前に立っていた 「ね、大丈夫でしょ?」 「はい…」 「心乃原は言葉をきちんと選ぶから失敗はまず無いからな」 「有難う氷月。じゃあちょっと門番さんと話してくる〜」 とてててて、とスキップをして向かいながら(気分が良いのか解らないが)心乃原は門番の鬼に話し掛けた |