『枠の外』って言うのは、例えるなら、創作世界が一つの立派な枠に囲まれている絵画の中にあるとしよう。俺らはそれを外側から見ることが出来る。絵がひび割れたり、落書きされたら直す。

それが枠の外にいる俺らの役割。


だがその絵の中に入ることは出来ない。あくまで外側から中の存在に気付かれずに行動しなければならないのさ。


例えば俺、灯里(トモサト)は、『誰かに頼み事をする役割』。もしかしたら、三人の中で一番中の人と接点があるかな。俺がどんな存在なのか気づかれてるかも知れないが、あの人達は大丈夫。枠の外ではないが似ている存在で、理解者だから。

二人目は赤髪で赤い上着を腰に巻いてる真っ赤な赤里(アカサト)兄ちゃん。
生まれたのは俺の方が先だけど、兄ちゃんは兄ちゃんだ。
あの人は『修復する役割』何故か壊れた建造物、人との仲を修復するんだ。仕事が多すぎていつも働いてる。ワーカーホリックってやつだね。

三人目はまだ自分が『枠の外』の存在だと知らない、みのるって学生。橙色の派手な髪に派手な服装が大好き。何より一番好きなのは自転車らしい。すっごい速く走れる自転車。ロードだっけな。自覚したら話しかけようと思ってる。役割は『運び屋』になるんじゃないかな。枠の外があるなんて知ったら、暫くショックだろうなぁ。


さて、今日は俺も仕事だ。誰に何をするのかは解っている。ちょうど相手が家から出てきたね。


「やぁ久しぶりだね!丁度いい。ちょっとお願いしたいことがあって…」


俺らは間接的に世界を動かす。 だけどそれを知られちゃいけない。


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