『終わりのない夢なんかないんだよ』 誰かが言った。 そして誰かは部屋の隅で小さく体育座りになって腕の中に顔を埋めながら首を横に振った。 『終わりのない夢なんかないんだよ』 また誰かは同じ言葉を言う。 また誰かは首を横に振った。 『夢は終わるモノだ。朝になったら終わるモノだろう?』 ―――なら自分はずっと寝ていたい。 誰かが誰かに向けて言う。 言われた誰かは少し悲しい顔をした。 『でも一生寝ることは出来ないよ。』 ―――だからって夢から醒めたくない 『ダメだよ。だからさ、約束して』 ―――勝手に話を進めないでよ 『いや進めるよ。だから、約束して』 『せめて終わり方は、あなたらしくしてね。』 そう誰かは言って、誰かの元に戻っていった。 |