わんことハロウィン  


「とりっく おあ とりーと!!」

朝起きてすぐ、私は幸村に向かって叫んだ。
今日は待ちに待ったホロウィン。口をあんぐり開けている幸村の手を取って口を開く。

どうしよう、ニヤニヤが止まらない。笑


「ほら幸村も!!とりっく おあ とりーと!!」

甘い物が大好きな私と幸村は「虫歯になるから」という理由で常日頃からお菓子を食べ過ぎないようにセーブしている。
でも今日は違う。

今日はいっぱいお菓子を食べても良い日!!

「とりっく…?とは何でござるか、主様」

「10月31日はハロウィンっていって誰かにとりっく おあ とりーとって言ってお菓子を貰う日なの!!」

「おぉ!!真でござるか!!」

「うん!だから幸村も、ね?とりっく おあ とりーと!!」

「とりっく おあ とりーと!!」

都合の良いように解釈した私なりの"ハロウィン"
そんな少し間違った知識を教えながらリビングに移動して昨日作っておいたお菓子を棚から取り出す。
それをソファーに座った幸村の前にあるテーブルの上に置くと幸村の目がきらきらと輝いた。
うん。私も早く食べたい!

「はい幸村、お菓子!!」

「主様も!」

お互いに適当なお菓子を渡し合う。
私はマフィンを、幸村はカップケーキを

手を合わせて
いただきます!
と言うと幸村は物凄い勢いでマフィンを平らげた。
それはそれは物凄い食べっぷりで見てるこっちが幸せになるくらい

「主様!とりっく おあ とりーとでござる!!」

「待って幸村…、じゃ、私もとりっく おあ とりーと!!」

お菓子を食べ終わったら次のお菓子を渡し合う。
種類も量もたくさん用意しておいたから飽きる事なんてない。

私の作ったお菓子を美味しいと言ってくれる幸村。正直、すごく嬉しい。

交換し合う事を忘れて、ただひたすらにお菓子を食べ続ける幸村を見ながら用意しておいたココアを飲む。
なんだかその姿が凄く微笑ましい。

適当に取ったお菓子を口の中に放り込めば、それをいつもより美味しいと感じる。

それはきっと幸村と食べているから


いつも、私と居てくれて有り難う
そんな感謝の気持ちを込めながらよしよしと頭を撫でてやった





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