捕まったら確実に死ぬんです(色んな意味で)
――ダダダダダダッ

『うにゃぁぁぁぁぁあああああ!!』
「待ちやがれぇぇぇぇぇえええええ!!」

現在校舎内を他の学年への迷惑とか考えず全力疾走中!!
怖い怖い!!極殺モードの小十郎マジ怖い!!
溢れんばかりの殺気が背中に突き刺さるぅぅぅぅぅうううう!!

「ちょ、竜の旦那!アンタの側近でしょ!どうにかしてよ!」
「Ha!こうなった小十郎はもう俺には止められねぇよ!」

くっ…爽やかな笑み浮かべて何言ってやがる
流石にちょっと頭にきたんで千歳と二人で政宗を罵ってみる。

「格好付けてねぇでどうにかしろよへタレ!!」
「へタレ!へタレ!へタレ!ふざけんな馬鹿!」

上から私千歳の順
もうこうなったら八つ当たりだこん畜生
逃げる事自体は楽しいけど小十朗が怖いからね!

「やーい独眼竜!」
「Σ湯木ちゃんそれ馬鹿にしてないからね?!」

「今政宗様の事をへタレと言った奴、こっち来やがれ!!!」
「「ごめんなさいぃぃぃぃぃいいいいいい!!!!」」

くっ…湯木みたいな感じでやればよかった。
それだったら小十郎の怒りを上げる事無かったのに…完全な計算ミス!計算なんてしてないけどね←
千歳と二人で舌打ちをする。
佐助に何か言われたけど無視だ無視。

なんてしてると、小十郎がスピードを上げてきた。
ここで捕まる訳にもいかないから千歳と二人でスピードを上げKGの両サイドに付く。
そして、二人でKGを小十郎の方に思いっ切り突き飛ばす。

「…え?」

「「出陣の時間だよ、KG」」

にっこりと笑ってKGに別れの言葉を贈る。
すると周りから「頑張れ前田」やら「俺達のために死んでくれ」等々色々な言葉が聞こえる。


「えぇぇぇえええええええええええ!!!??」


――ガシッ

「…え?」

「つーかまーえたー」
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!」



あぁ…後ろから断末魔が聞こえる…。
阿鼻叫喚だぜ阿鼻叫喚。

「すまないKG!お前の死は無駄にはしねぇ!!」
「こういう時ぐらい名前で呼んであげようよ湯木ちゃん!!」

「御一人様、ご退場――。」

『嫌ぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!』
「片倉殿が御乱心でござるぅぅぅぅぅぅううう!!」
怖いぃぃぃいいい!!
何これホラー映画?!
小十郎がむっちゃ怖い!!冷や汗掻きまくりだぜ!!

KGを生贄に召喚した小十郎との差をさらに広げようとしたその瞬間

「お前等だけでも…生きろよ」

元親がそう、呟いた。

何言ってんだコイツといった感じでみんな振り返り、そして固まる。
元親の数メートル後ろに何故か紐を持った小十郎が。
まさかと思って元親の足元を見てみると予想通りそこにも紐が…

「元親…まさか」

ごくりと家康が生唾を飲み込み、元親の方に近づいて行く…

みんな、前に進もうとしていた足は止まっていた。

「…家康」

自分に近づいて来た家康を首を振って止める

…何この感動的なシーン

皆の注目が集まる中、元親の口から紡がれたのはお決まりの決め台詞

「野郎共!鬼の名前を言ってみな!!!」
『Σも・と・ち・かぁぁぁぁぁぁあああああ!!!』



格好良すぎる!元親、格好良すぎる!!
KGの時とは大違いだ!家康なんて泣いてるよ…おい。

「…もう、いいか?」

元親との別れを惜しんでいると、小十郎がそう呟いた。
うん。もう少し待ってほしいな。
なんて返事をする暇を与えず

無情にも小十郎は



紐を引っ張った



――ズザァァァァァァアアアアアア!!!!

『ア、アニキィィィィィィイイイイイ!!』

「二人目つーかまーえたー」


『うにゃぁぁぁぁぁぁああああああ?!!』
いやぁぁぁああ!!怖い!ニタァって笑ってる小十郎が怖いぃぃぃいいい!!

マジで誰か助けて欲しい。切実に。
いや、自分達が蒔いた種なんだけどさ。流石に怖すぎる。
想定外想定外。

「くっ…!西の鬼は良い鬼だった!」

家康は涙を拭い小十郎と紐でぐるぐる巻きにされた元親に背を向けて走りだした。
私達もそれに続く。


あの後全力疾走して小十郎を撒き、階段を降りたところで問題が発生。
避難所に行くためにはこの先の職員室の前を通らないといけないという事と…

そして

「…疲れた。私は抜けるぞ」
「ちょ、かすが何言ってるの?!」

まさかのかすが脱盟(何のだよ)発言

「五月蠅い!私に話しかけるな!ただ謙信様の所に行くだけだ!」

「Σはいぃぃぃぃぃぃぃいいいい??!!!」


「…頑張って生き残れよ」

格好良くない!!元親みたいに言ってるけど全然格好良くないよかすが!

「謙信様ぁぁあーーーーー!!」

かすがは大量の薔薇とハートを飛ばして職員室に消えて行きました。

…あ、この時間謙信先生授業ないんだ。
はじめて知った。

「いやいや、かすがが先生の時間割を把握してる事の方が驚きでしょ」
「人の心読んでんじゃねぇよ猿」

「Σえぇぇぇええ?!」



『さーる!さーる!さーる!』

「ねぇ今これ何の時間?!何の時間なの?!」


あえて皆何も言いません。言ったら面白くないもんね。
誰かを弄る時は一致団結!←

なんて、つかの間の休憩を楽しんでいたら

――ダダダダダッ

後ろから足音が…これは…まさか

振り返るとそこには

「みーつけたー」
『いやぁぁぁぁぁぁぁああああ??!!!』



後ろに般若を従え妖しく笑う小十郎が居ました。










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