地獄のドッジボール1
「皆、今日は全力でドッジボールをせい!!!」
「うぉぉぉお!ドッジボールでございますな!お館様ぁぁぁあああ!」


うるさい
そして横文字似あわないなこの二人

とりあえず、一時間目の壮大なリアル鬼ごっこを理由に準備運動をスル―してチーム分けをしよう。そうしよう

で、結果

Aチーム…桐樺 千歳 政宗 佐助 小太郎 かすが 家康 三成 いつき
Bチーム…湯木 花鈴 元親 元就 慶次 幸村 刑部 市 蘭丸 光秀

ん―…これは…
なんといいますか…まぁ、面白い事にはなりそうだけど…
グッパで分けたのがいけなかったのか…

ま、いっか

とりあえず

「ドッジボール開始じゃぁ!!!」

らしいです






「じゃ、いくよー。始めのボール触れたら全滅ーっと」

湯木がやる気なくボールを転がす
で、Bチームの外野はっと…

「ふふふ…いきますよ…」

まさかの光秀ぇぇぇえ?!
体から何か黒い物が出てますけど?!

と、Aチームの全員が若干びくびくしてると光秀がボールを投げた
そのボールは…

『…』

ふよふよと頼りなく飛び、ぽふっと蘭丸君の手の中におさまった

「光秀!いいボールだったぞ!」
『いやいやいやいや』

さっきのボールの何処がナイスボール?!

「いくぞぉ!」

蘭丸君が全力でボールを投げた先にいたのは…政宗
おぉ、いきなり大物狙い

――バシィン!!

「Ha!なかなかniceなballを投げるじゃねぇか!」
「相変わらず発音だけはいいなぁー」
「千歳それ禁句」
「いくぜ…真田幸村ぁ!!」
「来い!伊達政宗ぇえ!!」

「…まーた始まったよ」

何故か政宗と幸村の光速の投げ合いが始まった

「ぬぉっ?!」

と思いきや、手元が狂ったのか幸村の投げたボールは政宗とのは別の…

三成の方へ飛んで行った

「頑張れよ…家康」

満面の笑みで呟くな千歳

「っ?!」

ボールは真っ直ぐ飛び、ボーっと壁を眺めていた三成の前髪を掠めてそのままかすがの方へ

「おっと」

パシッと、かすがは光速で飛んできたボールをキャッチしたけど…
三成はわなわなと震えだした

あぁ…家康、ご愁傷様

「い…」

三成の小さな呻き声が聞こえたのと同時に家康以外の全員が耳を塞いだ
そして、

「家康ぅぅぅぅぅうううう!!!貴様ぁぁぁあああああ!!」
「み、三成?!」
「貴様!よくも仲間の私にボールを投げたなぁぁぁぁあああ!!」
「ち、違う!
さっきのボールを投げたのは儂ではなく真田だ!」
「貴様ぁぁあ!共を売るというのかぁぁあああ!!」

叫びながらかすがの持っていたボールを奪うと、大きく振りかぶって家康の方へ投げた!

「イエヤスゥゥゥゥゥウウウウウウ!!」
「だ、誰か助けてくれぇぇぇえええええ!!」

『え?何か言った?』
「ただかぁぁぁぁぁあああああああああつ!!!」
『さーて、ドッジボール再開するか』


ということで、Bチームの陣地の後ろあたりにある倉庫からボールを出して、佐助に投げ渡したところでゲーム再開


「私は決して貴様を許さんぞぉぉぉぉおおお!!」
「儂が一体何をしたんだ三成ぃぃぃぃぃいい!!」
「気安く私の名を呼ぶなぁぁぁああああ!!」


二人の叫び声を聞きながらAチームとBチームの間にあるセンターラインを越えようとした正にその時

――ヒュンッ

顔の真横をボールが物凄いスピードで通っていった
…犯人は分かってる
なんせ、目の前で黒い笑みを浮かべてるからな…!

「佐助…!」
「桐樺ちゃん、千歳ちゃんから聞いたよー。さっき俺様の事蹴ったの桐樺ちゃんなんだってー?」

怖い!佐助の黒い笑み超怖い!
…っていうか!

「千歳貴様ぁぁあああ!!共を売るというのかぁぁあああ?!!」
「うん」
「えぇぇぇええ?!」

ありえねぇ!即答しやがった!!
なんて、千歳に向かって叫んでると
小太郎からフライでボールをもらった佐助が、これまた物凄いスピードでボールを投げてきた

「このっ…!」
「え?ちょっ?!桐樺?!」

たまたま隣にいた慶次の腕を引っ張ると
なんということでしょう!慶次が私の盾に!

――バシィン!!

「痛!えぇ!!ちょ?!えぇ?!」

ころころと足元に転がって来たボールを拾って千歳の横に移動する
佐助とは一先ず休戦な
そして、千歳と二人で慶次に向かって親指を立てる!

「「慶次、アウト―」」
「いやっ!あれは桐樺が…えぇ!?」

お、いい感じにパニくってる

「「だからー慶次、アウトー」」
『慶次、アウトーヴゥーヴゥーヴゥー』

皆、親指を下に向けてヴゥーヴゥー言う
さすがに全員に言われたのが堪えたのかすごすご退場する慶次
それを見て、千歳と静かにハイタッチする



さて、次は誰で遊ぼうかな…?




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