初めまして、好きです


最初はきっと、一目惚れだった。
友達と楽しそうに遊んでいるのを見て、ただ単純に格好いいと思った。
廊下ですれ違う度に恥ずかしくて思わず俯いてしまう。
見かねた友達が先輩が通ると教えてくれたりするけど
話しかけるなんて、出来ない。


「莉兎!政宗先輩来たよ!」

昼休みに教室で友達と話してると他の子が廊下から叫んだ。
先輩に聞こえる!
って思ったけど私の体は廊下の方に進んでいく。

猿飛先輩と歩いてくる政宗先輩。
その姿を見ただけで思わず緩む口元。

早く先輩にアタックしてこい!
なんて言われるけど、こうして眺めてるだけで今は幸せ。


あ、今先輩笑った

なんだか、心拍が一つずれたような気がする。




先輩達のクラスは私のと同じ階にあって何処に行く時も必ず私のクラスの前を通る。
その度に私は目敏く先輩を見付けて、見つめる。
で、近付いて来たら目を逸らす。
気付かれる前に

私は、先輩を見れたらそれでいいの。
それ以上は何も望まない



「莉兎さぁ…自分から行動起こさないと、何も始まらないよ?」
「うん…そうだけど…さ、」

どうしても臆病になってしまうの

先輩の事を見ているだけでもこんなにも緊張しているのに
話しかけるなんて…そんなの無理

きっと恥ずかしすぎてまともに話せない


それに…、
今は良いの

彼女になりたいとか
先輩とお近付きに…とか

今は、いいの


ただ、見つめているだけで幸せ

先輩を見たら、憂鬱な気分も吹っ飛んで行くんです



それだけで…十分幸せなの…





今は、まだ




------------------





back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -