「家事とか、別に無理してやらなくていいんだぞ。俺も出来るし、なんならハウスキーパーでも雇えばいい。その方が撫香も、自由な時間が増えていいだろ?」
「いやっ!」

普段滅多に声を荒らげない撫香が俺の声を遮るように大きく、大きく、たった一言に色々な思いを込めて言葉を発する。

「……あ、ごめんなさい。料理も、洗濯も掃除も、私が好きでやってるんです。だから、大丈夫です」

そう言って弱々しく笑う撫香を見て、彼女はまだ離れていかないと再確認する俺は、ひどくずるい大人だと思う。




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