序幕-弐-
長い間、ずっと独り
人の願いを叶え続けて――
もう、何年、何百年になるのだろう
この店からいつ出れるかの確証はないまま
いや、確証なんてあるはずがない
あの日から私の時間は止まり
あの日から私という存在は世界から切り離された
数え切れない程の願いを叶え
人に出会い
人ならざる者にもに出会ってきた
様々な者と繋がった縁
それでもまだ、私の願いは叶わない―――
耳に届くのは誰かが扉を開けた音
今日もまた、私はヒトの願いを叶える
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