Night Blindness
融解



そんな中、連邦軍はイラクへ行った兵士達から連絡が途切れ、疑問に思い、何かがそこで起こったのだろうと予測し、小隊を編成しイラクへ向かわせた。


そこで小隊が見たものは、“プトロン”により破壊された武器や戦車、連邦軍兵の死体、灰色の砂そして檻の中で全身に返り血を浴び疲れ果てて眠っている“プトロン”だった。
報告を聞いた連邦軍は休戦を申し出て、何があったのかを調べるために遠距離操作のできるこがたのカメラを開発。

そして約一年後、開発したカメラを“プトロン”の頭上あたりで飛ばしておき、連合軍と“プトロン”の戦いを撮影、映像は連邦軍の総本部ロシアへと送られた。
映像を見ていた連邦軍のお偉いさん方と科学者達は、紫のガスを連合軍がマスクを付けているという事で毒ガスだと判断しガスマスクを作らせたり、背後から“プトロン”に奇襲を仕掛けさせたりなどして反撃をした。

これを受けた連合軍はまずいと思い、休戦を申し出て毒ガスをもっと強化しそれ専用のガスマスクを作り……………




という様な、戦争と休戦が交互に続くようになり十年ほどたったある日、日本の関東地方で大震災が起き、日本、そして連合軍が壊滅的なダメージを受けた。


というのも、連合軍の武器の殆どが日本で作られ、首都である東京からの輸出が一番多かったからである。
幸い、日本のトップ、総理大臣と天皇陛下は無事だったが工場の殆どが使い物にならない状態だった。

そこで当時の総理大臣、陣内 夕季(ジンナイ ユウキ)は新たな日本国基礎を一から立て直すべく首都を東京から名古屋に遷し、都道府県という境を廃止し、ブロック式で地区配分をした。

新たに設けられた制度に国民は動揺、さらに人口の極端な減少及び交通・情報機関のマヒにより日本の復興は長引くかと思われたが他の連合国の援助のおかげで五年と掛からず震災前となんら変わらない状態まで回復。


日本の震災で一時は連邦軍優勢だったが、日本が復活し、両軍の差は無くなりまた、戦争と休戦が交互に続くようになった。


そして、第五次世界大戦開始から六一年たった2103年
連合軍に日本の総理大臣 原田 一針(ハラダ イッシン) が近頃連邦軍と密会を開き、“プトロン”の恐怖からか日本を秘密主義の国に変えようとしているなどの情報が入ってきた。
日本が連邦軍に寝返ったら確実に負けると確信した連合軍はどうにかして原田を大統領の座から引きずり落とそうと計画を立て始めた。

そして実行に移そうとアメリカのエージェント、アランが原田の部屋を訪れた時、中で銃声がした。
慌てて部屋に入るとそこには机の上に突っ伏している原田と返り血の付いた銃を拭いている原田の最も信頼のおける秘書、漆原 恭哉(ウルシバラ キョウヤ)がいた。
漆原が言うには「原田に愛想を尽かした」らしい。

その後、漆原は連合軍の後押しもあり総理大臣になった。






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