Night Blindness



―放課後 稲葉学園敷地内 生徒会役員専用寮前―

荷物はもう寮に届けられてるからね!と、そう楓に言われ敷地内の地図を片手にやって来た寮…。
それはごく一般の寮に比べると、でかい。とにかくでかい。

彼等の前には寮という名の洋館に続く一本道。
その両サイドに色取り取りの花があり、向こうの方には木で出来たアーチなどもある。正面玄関の前には大きな噴水まであって…やはり洋館に噴水は必需品なのか…。
階段を二,三段上がればやっと扉の前、という感じだ。

「すっげ…」

元親が思わず声を漏らした。

各支部の生徒会長も何だかんだ言って生徒達より優遇される。
寮の部屋の広さなどなど。
が、本部の生徒会はそれ以上だ。
彼等専用に洋館が造られたように、様々な面でも優遇される。

「鬼の旦那、ぼーっと立ってないで早く行くよ」
「あぁ…」

こうして四人は寮の門を潜った。





「あぁ、やっと来たのか」

正面玄関に着けば、私服姿の琉那が四人を待っていた。

中に入れ、と彼女が四人を促すのと政宗が口笛を吹くのは同時だった。

「…何だ?」
「いや、アンタの私服が意外だったンでね。なぁ元親」
「ん?あぁ。にしても露出度高すぎだろ」
「動きやすいからな。ほら、早く入れ。ガジョが待ってる」




「っ破廉恥でござるぅぅぅぅぅうううう!!!」





「五月蠅い!旦那五月蠅い!!」

琉那のかなり空いた胸元を見て叫んだ幸村の声は半径二キロは響いたであろうと後に佐助は語った




「はい、これが屋敷内の見取り図と部屋の鍵ね!風呂は青いのれんが掛かってる方で朝食夕食両方7時からこのAルームって書いてあるとこだから!」

荷物はもう部屋に置いてあるからねー!と叫ぶ疾風の声を聞きながら四人は自分達に宛がわれた部屋に向かう。

地図を見る限りでは屋敷内はさほど入り組んでいないようだ。
ただ、各階に何か所ずつか書かれた「倉庫」という場所が気になる。

地図通りに進み戻って来たのは玄関ホール。そこにある階段を上ると元親が分かれた。
どうやら、彼の部屋は二階のようだ。

「俺ぁ207か…じゃ、また後でな!!」

元親はスキップでもしそうな勢いで自分の部屋へと向かって言った。…子供か。


「そういえば、ガジョがこんな大きい屋敷に二十人分の部屋しかないって言ってたけど一部屋どれくらいの大きさなのかな」
「それは、部屋に着いてからの楽しみというものでござるぞ!佐助ぇ!」

嬉々として階段を上がって行く幸村を見て佐助は頭を抱えた。
これからの苦労でも目に見えたのだろう。いや、既に見えているか

「Hey猿。幸村の野郎走って行きやがったぜ?」
「ちょ、ちゃんと飛まで言ってよ…はぁ、旦那ぁー?部屋番号間違えないでよー?」



「…苦労人だな…マジでオカンじゃねぇか」




「広い!部屋が広いぞ佐助ぇぇぇぇぇえええええ!!」
「分かった!分かったから落ち着いて旦那!!」

「うおぉぉぉぉぉぉおおおおう!!!」
「旦那ぁぁぁぁぁあああああ??!!!」

政宗の呟きが佐助に聞こえる事はなかった。



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はい。閑話。
寮でのお話でした!
閑話は本編とは直接関係ない話です。
時系列もぐちゃぐちゃ(笑)←







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