Night Blindness
04



四人は思わず目を見開きうさ子を凝視する。

「…話したでござるな」
「しかもかなり日常的な事だったよなぁ…」
「ちょ、うさ子ちゃん耳動いてるよ。ぱたぱたと…」
「Wow…It's improbable….」(あり得ねぇ…)

動くし話すうさみみ付きフードを見た衝撃は思ったより大きいらしく四人共とも軽く放心状態だ。
そんな彼等を余所に季羅はうさ子との会話を続けている。彼がうさ子に何を言ったのかは不明だが、頬を染め両耳で両目を隠して「キャーうさ子、照れちゃう」といった感じだ。

「え、えーと…はい!佐助と同じく生徒会長である琉那ちゃんの補佐役禮乃 雅弥!よろしく!」

この空気に耐えられなくなったのか、雅弥が立ち上がって言う。
笑顔が若干引き攣っているのはこの際見なかった事にしよう。そうしよう。

「はい、次!」

立ち上がり「きーらくん」「うーさ子」とうさ子の耳を持ってくるくると回りだした季羅を見てしまったらしくぽんぽんと楓の肩を叩きながら雅弥が言う。
見なかったふりだ。

この光景は、生徒会メンバーもあまり見たいものではないらしい

「配給係の裄野 楓で〜す!よろしく!」

ツインテールを揺らしながら楓はすとんと座る。

くるくると視界からフェイドアウトしていく二人、これで漸く真面目な話が出来そうだ。

「で、」
「…はぁ…生徒会長梧 琉那」

そこで、四人は改めて琉那をじっくりと見る。

特に目を引くのは彼女の前髪で隠された右目だ。政宗や元親のように眼帯を付けるのではなくただ隠すだけ。それ故にそこに目が行ってしまうのだ。
左目も濃い青色をしているが、佐助と元親の目も珍しい色をしているので特に気にならない。
髪は今時珍しい漆黒だ。
戦争が始まり、様々な血が日本人へと混じるこのご時世でここまで純粋な黒は滅多に見なくなっている

「全員の自己紹介終わったー?」

疾風が琉那に問えばコクリと頷く。
それを見て疾風は嬉々として立ち上がった。

「イエーイ!!」
「楓と〜」
「ガジョのー」
「「あだ名付けターイム!!」」


「ってちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」


拳を突き上げつつ立ち上がった疾風と楓に盛大にツッコミながら佐助が立ち上がった。

キャラが濃すぎる生徒会メンバーには重要なツッコミ要員、佐助。
これからの苦労が目に見えているが、取り敢えずは歓迎することにしよう
ツッコミさん、いらっしゃーい
イエーイ、パチパチ
これから頑張れ

と、琉那は心の中で佐助に拍手を送る
我関せず、だ


「「何?」」
「いやいや!何?じゃなくて!そろそろ俺様達の質問にも答えてくれませんかねぇ!!」
「え、ガジョ知らない」
「…うーん…あぁ!アレか!!」
「そう!ソレ!!雅弥ちゃんの言うアレが合ってるのか全然分からないけどきっとソレ!!」

疲れたのか段々投げやりになってきた佐助。
よろしく。と雅弥に説明を促すと溜息を吐きながらソファに座り込んだ。
お疲れ様

「アレでしょ?名古屋で開かれる"会議"」

正式名称"生徒会長会議"。名前の通り各支部の生徒会長と本部の生徒会長である琉那、そして大統領の漆原 恭耶が月に一度集まり、都庁の地下で開かれる会議の事だ。
基本的にその会議には生徒会長とその補佐が行くのだが…

「琉那ちゃんじゃなくて私が生徒会長として行ってたからなー。それに、前流れた動画だけじゃ誰が生徒会長か分からないし」

うんうんと頷く雅弥。

「うんうんじゃなくってよぉ何で梧が来てねぇのかを聞いてんだよ」

軽く琉那を睨み付けながら元親が言う。途中で疾風が名字呼び禁止!と言っていたが無視だ。

「…都庁には行く。けど、地下には降りない。」

様々な視線が交差する中、琉那が口を開いた。

「Ahー…何で降りて来ねぇ?」
「面倒だから」


「「「はぁ?」」」


政宗、元親、佐助の声が重なった。


「あんな堅苦しくて難しいのはレニに向いているからな」
「琉那ちゃんはモニター越しに見ながらたまに私に思った事伝えるぐらいだもんねー?」
「本職は戦闘だからな」

さらりと爆弾発言。しかし残念ながらそれに食い付いたのは

「某ずっと思っていたのだが、レニとは雅弥殿の事でござろうか?」
「いや、旦那。他に気になる事があるでしょーが。それに雅弥ちゃんあだ名だって言ってたじゃん」
「おぉ!そうでござったな!」

佐助だけだった。

「だから俺"あだ名付けタイム"って言ったじゃーん」
「む…あだ名…でござるか」
「え、ちょっと…無視?みんな俺様の事無視?!」

既に空気状態の佐助。これに関しては皆チームワーク抜群だ。

「季羅がとせで、俺がガジョ、雅弥がレニ、琉那がリューちゃん!ちなみに楓はそのまま!!」

ニコニコと笑いながら疾風は言う。

「じゃっいっくよ〜」

楓がそういうと、楓と疾風は何やら相談をし始める。
四人の顔に困惑の色が浮かんだ。
季羅、疾風、琉那のあだ名は分かり易いが雅弥のヤツは謎い。


彼等のあだ名が一体どの様になるのか…とても楽しみだ






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"邂逅"ではひたすら九人の"出逢い"を書いていきます。
ちなみに、ガジョはツリーヴィが、とせとうさ子はアスラが考えてくれました。
二人共ありがとう!!!






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