Night Blindness
01



ギィと音を立てて屋上の扉が開く。
その扉からひょこりと顔を出した少女は何かを探しているらしくキョロキョロと辺りを見回す。

「あ」

扉を閉め、二、三歩歩いたところで探している物が見つかったらしく、短く声を漏らし貯水タンクの方に駆けて行った。
そして、そこで寝ている人物に―

思いっ切り抱きついた。


「リューちゃん!おっはよ〜」
「うぐっ…?!ちょ、楓重い」

梧 琉那"ジュミニ"の元リーダーである彼女は自分の上で馬乗りになっている同じく元メンバーの一人裄野 楓(ユキノ カエデ)を軽く睨む。
が、楓はそれに怯むことなく笑顔を琉那に向けた。

「はぁ…楓、何?」

溜め息を吐きながら琉那は体を起こし、楓の頭を撫でてやる。

「ん〜?今日来る転校生さんが揃ったから呼びに来たの〜」
「ん。了解すぐ行く」

よしよしてと楓の頭を撫でてやり立ち上がると、転校生の待つ生徒会室に向かって歩いて行った。


―第4校舎3階生徒会室―


この学園の生徒会室はどっかの会社の社長室かよ此所は。
と、この部屋に入った者全員が言いたくなるような室内をしている。
部屋の隅には観賞用の植物が置かれ、部屋の一角には給湯室のような場所が設置されている。
"楓以外立入禁止"と書かれているので其所は彼女のテリトリーらしい。

さて、楓の言う転校生…各支部の生徒会長3人+αは部屋に置かれた5人掛けのソファに座り談笑いている…どうやら仲が良いらしい。

楓の出したお茶はもう冷めてしまっていた。


――ガラガラッ

とそこで扉がひらいた。
琉那と楓だ。2人が入って来ると同時に4人は口を閉じ、静かに彼女等を見つめる。
そんな彼等の視線に気が付いたのか、琉那は4人のが座るソファの正面にあるソファの真ん中を陣取り一人一人の顔を見ていく。

何も言わず表情も変えずただ淡々と。

楓が全員分のお茶を持って来るまでそれは続いた。
琉那の視線が外れると同時に誰かが溜め息を吐いた。

未だ彼女は何も言わないカチカチと時計の秒針が進む音だけが部屋に響く。
六人の間に妙な空気が流れ始めた。
転校生である彼等から話題をふる事が出来ないため、琉那の言葉を待つしかないのだが…





「稲葉学園大阪支部生徒会へようこそ。転校生の皆さん?」

誰かがしびれを切らし、誰かの我慢が限界を越えた時、琉那が口を開いた。


彼女の感情が一切籠っていない無機質な声…



「アンタ…一体何者なんだ…?」




「生徒会長」


生徒会室に再び沈黙が訪れた。









------------------
どうもヨーラです!
小説って難しい…;;誰か文才下さい!!←
やっとご対面ですでも転校生四人の名前はまだまだ出て来ません←
彼等が琉那が生徒会長だと名乗って驚いた訳は次の話で明らかになります!!





back
- ナノ -